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黒闇 久遠 ◆7axDa.drh. ・2chではROM専(主にニュースと軍事) ・はじめたばかりの初心者とのこと。 AA /\___ ____/ 〉 ,.. ''"´ `' く ,∠、 / _;;; -───--<  ̄`! / ; '"´ _;; >'"´ ̄`Y´ ̄`ヽ.- / |/ ; ''"´ | ,ハ| | Y / /| _|/\ /|ァ<,ハ ハr、_ __/⌒ヽ / / ヽ.. |,.ニ、\/ i´ハY.| / \)( ./ ,' 八 ハ ./ ,'´ハ 弋リ,ハレ´イ\ / \ / ゝ、 ヽ. |八弋_ソ _ "ソ `ヽ. / X />ー-)...,,_八 \ i´ `ソ/ ソ⌒ソ/、__ / ) r/ / `''、> )ァ--r<トイ / ./ ̄ ̄ (.| | \ \_| ハイ `Y | | ,ハ\_/o∨, '⌒ヽ | \ \_,,,... -<´_〉 〈〉.!  ̄ノ /  ̄ ( ,.く\ 〈〉 ` T´ / ` 、.,_/ \>ー-‐く,ハ‐''´ く 、 ! /\\ '" _|〉 /`>''´ヽ、,_,,.. -r‐ ァ┘ └ ''´ ト / じ' ---─━━━━━━━━━━━─---
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【名前】 久遠=ヴィシャス 【機体】 コキュートス/オディウム 【精神】 集中/直感/戦慄/威圧/魂/覚醒 【特殊技能】 底力LV9/天才/極 【小隊長】 底力の効果を2倍 【特徴】 彼方の世界より来た少年。 自称、『帝国最後の生き残り』であるが、こちらの世界の帝国で該当する人物はまだ存在していない。 独自の目的を持ち、暫しネオジオンとは別行動を取る事も。外見年齢は13歳ほど。線が細くて女性とよく間違えられる。 【裏設定】 ミラージュ=ジェストラと螢=ジェストラの間に生まれた子供。 そして、人形遣いレクリィデアと道化師ニャルによって研ぎ澄まされた邪神の蛹。 コル・レオニスとCPSを手に入れる事により、完全な邪神として羽化を遂げる。 あらゆる魔導書を統べる『魔導書の支配者(ルーラー・オブ・グリモワール)』に至る可能性を持ち、実際に到達した。
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♯籠音久遠について♯ 名前 ♯ 籠音久遠(かごね くおん) 年齢 ♯ 18歳 誕生日 ♯ 11/27 身長 ♯ 168cm 好きなもの ♯ バスケ・こんぺいとう 性格 ♯ 無口 無表情。食べものに関しての好みが少し人とズレている。 外見 ♯ 赤髪に黒のメッシュ。ピアスは上から金銀赤。 イラスト ♯ こまくさ* 中の人 ♯ こおり 籠音久遠単独音DL [pass ♯ utau]
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2010年01月05日(火)17時44分 - ikakas.rights 頼りなく石を打つ靴音が、高い塔をゆっくりと上っていた。 空には鈍色の雨雲が垂れ込めており、それを背に聳える孤塔は吹き付ける風を受けて低い唸りを上げていた。塔の外周には螺旋状の通行路が巻きついており、その上を一人の男が上っていく。 擦り切れた外套を手で抑え、男は大儀そうに壁へもたれかかる。肩で息をしながら、ふと彼は通路の先を目で追った。そして、あ、と微かな声を零す。彼が見上げる先、その通路の終着点にあった扉は開いており、そこから光が漏れていた。 男は壁から背を離して駆け出した。風に煽られてよろめきそうになりながらも、彼は扉まで一気に駆け寄る。 「開いている……」 そう呟くと、男はそっと扉の内を覗き込んだ。 そこにはがらんとした無人の庭園が広がっていた。塔の頂上に作られたその庭園は高い壁に四方を覆われており、外部の強風が遮られた穏やかな空気が漂っていた。庭園には水路が切られていたが、そこに水は流れていない。かつてそこにあった水流を示すように、底に溜まった砂が流線を描いていた。 男はしばらく呆けたように庭園の入り口で立ち止まっていた。やがて彼はそっと重い石扉を押し開け、足音を忍ばせるようにして庭園へ踏み入った。 草地に敷かれた石畳を伝い、水溝に架けられた小さな石橋を渡り、庭園の中央に位置する低い台座のような石塊に腰を下ろす。深い疲労の滲んだ息を吐き出し、台座の上で項垂れた。 男は独り言を口にする。 「そうか、あの子は……旅に出たのか」 扉から風が吹き込み、庭園の空気を揺らした。低い台座の傍ら、項垂れる男の背後に積もっていた乾いた砂の山がさらさらと崩れた。風に巻かれた砂は軽やかに空へと舞い上がっていく。 男はそれに気付かず、深く静かな寂寥感と、幾らかの諦めの篭った微笑を浮かべていた。 遠くで風が吹いている。水が流れる音が絶え間なく聞こえており、湿気を含んだ空気は冷たい。 凹凸の少ない平たい地面には疎らに草木が生えている。その小さな木立の木漏れ日の下で、一人の女が眠っていた。眉の細い凛々しい顔立ちをしており、長い髪は首の後ろで一本に束ねている。 「……ん……っ……」 女の寝息が不意に途絶え、その唇の間から小さな声が漏れた。ゆっくりと女は瞼を開き、空を覆い隠す梢の枝葉をぼんやりと眺めた。 しばらくの間女はとろんとした目で木立を見上げていたが、やがてそっと寝返りを打つと、片手をついて上体を起こした。背の下にあった長い髪から地面の土がぱらぱらと落ちる。手で軽く裾や袖を払い、座ったまま辺りを見回す。 そこは閉ざされた巨大な箱のような形の空間だった。半分は高い天井に覆われており、それによってその空間は日の当たる部分と陰の部分に分けられていた。日の当たる部分は簡素な庭園のような構造をしており、そこにはささやかな緑と水音を立てて流れる水路、そして古びた石の円柱などが点在している。屋根の下の陰の部分は上も下も石材で構成されており、何もない冷たい空間が広がっている。 女はふと何かに気づき、首を伸ばして目を凝らす。屋根の下の石床に一人、庭園に二本並ぶ石柱の間にもう一人、横になって眠る人影が見える。 屋根の下の陰、冷たい石の床の上に一人の男が眠っていた。背は高いが痩せ身で、やや長めの髪は白い。 遠くで鳥が羽ばたき、その音が天井と壁で反響して遠い唸りのように男の耳に届いた。その音に男ははっと目を覚まして体を起こした。床に座り込んだ状態で、彼は少しの間ぽかんとした顔をしていた。やがて彼は身の回りを観察し出す。 と、男は庭園の木立の中に、彼と同じように座り込んでじっとしている女の視線に気づいた。女は男と目が合うと、一瞬どう反応したらいいか戸惑ったようだったが、彼に示すように石柱のほうへ視線を送った。男はその視線を追って、石柱の近くにもう一人、少年が眠っているのに気づいた。 少年は視線を感じてそっと目を開けた。覚醒と同時に気の抜けた声が口から零れる。 「はぁ……あ、あれ……?」 緩慢な動きで首だけ寝返りを打ち、目の前にあった草むらに顔を突っ込んだ。そこでようやくはっきりと目が覚めたらしく、彼は飛び起きるようにして体を起こし、同時に離れたところから自分を見つめる二つの視線に気がついた。う、と小さな声を漏らして動きを止める。 少年は二人から目を逸らすように周りを確認した。石材で四角く区切られた土に根付く草木は手入れされているようには見えない。木立の下には倒れた枯れ木も見られる。数羽の鳥が羽ばたいて木々を揺らした。 改めて自分以外の二人に向き直り、少年は一呼吸置いてから大きな声で話しかける。 「あ……あの……おはようございます……?」 自然と言葉の端がすぼんだ。男と女からは何も返ってこない。少年はあたふたと手を動かしながら言葉を探す。 「あれだ、えーと、その……ここはあのー……」 発声ははっきりとしていてよく通る声なのだが、変にたどたどしい口調だった。自分でも思ったように言葉が出てこないのか、少年は、む、と眉を顰めて口を噤む。 女が首を振って少年に答える。 「……私……分からない。何も頭に浮かんでこなくて……」 彼女は同じ質問を回すように男に視線を向けた。男は、え、と呟くと、 「俺に聞かれても知らねぇよ。ここがどことか……それ以前に俺は誰なんだ」 と言って、頭を掻きながら視線を逸らした。 「そ、そうか……。僕と同じだな……」 少年が呟き、それきりまた皆黙り込む。 そのとき、女はふと何かに気づいて後ろを振り返った。木立の後ろの壁近くに短い階段があり、それを上った上は人が通れるような通路になっていた。 「ん。どうかしたか、おい。お、おーい」 不安そうに声をかけた少年を、女は静かにと制した。 通路の上に四人目の人影が立っていた。ゆっくりとした足取りで階段を降りてくる。白い裸足が立てる足音は小さく、どこか存在感が薄い。 少年が恐る恐るといった様子で声をかける。 「あっ、えっ……おいお前……っ……」 少年のほうを向いたその人影と目が合い、彼の言葉はそこで途切れた。 そこにいるのは、彼よりも幼く見える小柄な少女だった。袖のない白い服を着ており、両肩と首を黒い布で覆っている。 その顔に表情はなく、その透き通るような両目で彼女は話しかけてきた少年のほうをじっと見つめ返した。 ○○○○ 階段を上り切った男は、振り返って庭園を見下ろした。庭園はさほど広くはなく、男がいる位置からほぼすべての場所が見渡せる。 男は一人で白い服の少女が現れた階段の上の辺りを簡単に調べた。階段の上の通路は壁に沿って続いていたが、片方は壁、もう片方は滝があり行き止まりだった。男は仕方なく引き返す。その後も庭園や陰の下のすべての壁を一通り見て回ったが、どこも壁に塞がれていてそれ以上別の場所へ行く道はないようだった。 「いやー。どうしたもんかねーまったく」 ぼそっと呟き、男は石材に腰掛けて頬杖をついた。見ると、庭園の陽の当たる草の上で少年と少女が話をしている。 「えーと……何か知ってるか。例えば……あれだ。そう……えっと……」 喋っているのは少年だけで、幼い少女は一度も言葉を口にしていない。 質問の言葉が上手く纏まらない少年を見かねた女が腰を上げた。白い服の少女に近づくと、彼女の前に屈みこんで目の高さを合わせる。 「ねぇ、聞いていい? もし知っているなら教えて欲しいことがあるの」 白い少女は頷いた。女も頷き返し、 「ええ。まず、ここはどこなの?」 と柔らかい口調で尋ねた。だが白い少女は頷くことも首を振ることもせず顔を背けた。女は眉を寄せる。 「じゃぁ……何か、私は誰? というより……何なの?」 その質問に対して、少女はすっと片手を上げて女の背後を指差した。女が、え? と後ろを振り返ると、少女は半歩女に近づき、女の髪を束ねている留め具を指で指し示した。 「……何? ごめん、見てくれない?」 「え。ああ、あ、うん」 女に頼まれた少年は、彼女の髪を束ねているリング状の留め具に目を凝らした。軽い金属で出来たそのリングは、よく見ると淡い光を放っている。 「えーあの……その、輪っかだ、けど。何か光ってる」 少年は見たままを伝えた。 「輪?」 女は立ち上がり、自分の手でうなじの辺りにあるリングに触れた。 少女は次に少年の前に膝をついて彼の足首を指差した。そこにも女の留め具と同じような形をした金属のリングがはめ込まれている。少年は今まで気づかなかったらしく、草地に腰を下ろして自分のリングを見た。 「あっ……あ、何だこれ……取れない、か。取れないぞ、おい」 「……どういうこと?」 女は紅い髪の少女のリングを手で触れながら調べた。発光していることを除いては、飾り気のないただの金属の輪だった。 顔を上げ、白い少女に改めて問う。 「これが私たち、ってこと?」 白い少女は無言でこくりと頷く。しかし喋らない彼女が何を言いたいのか二人には伝わらず、女はため息をついて腕を組み、少年は自らの足首のリングを物珍しそうにいじり始めた。 その様子を階段の上から遠巻きに見ていた男は、自分の体を改めて確認し、左の二の腕にやはり金属製の光るリングがはまっていることに気づいた。リングは腕の太さにぴったりと合っており、抜けないようになっている。 「……何だこりゃ」 指で突付いてみるが何も反応はない。男は渋い顔をすると、階段を下りて再び庭園の細部を調べに行った。 「なるほど、な。僕たちは輪っか……ということだな。よくわからないぞ……。これが僕の、僕……?」 少年は重ねて白い少女を問いただそうとするが、首を傾げられるか、全く反応が返ってこないかのどちらかで一向に新しい事実は浮かび上がってこなかった。 そういえば、と少年は数歩後退ると、改めて白い少女のつま先から頭までを見回した。彼女の体にはどこにもリングが見当たらない。 「君は、あ……君は輪っかがないんだな」 「もういいじゃない、一人くらい持ってなくたって」 女はそう言って二人に背を向け、木立のほうへ歩き出す。 「あ、ちょっと……」 少年は呼び止めようとしたが、女はすたすたと彼女から離れていってしまった。少年は少し寂しそうな顔になり、それから喋らない白い少女のほうを見た。仕方なく彼女に何を聞けばいいかまた考え始め、結局言葉を上手く纏められず一人唸る。 やがて庭園に夜が訪れた。星と月の光を受ける庭園では石柱の輪郭が薄ぼんやりと浮かび上がっていたが、木立の中や屋根の下の部分などはもう殆ど何も見えない。その陰の下で、三人がそれぞれ身につけているリングが放つ仄かな明かりだけが点々と浮かんでいる。 男はまだ庭園を調べて回っていた。もうそれほど熱心に見て回ることはせず、ただ繰り返し繰り返し庭園の構造を頭に入れているだけといった様子だった。 彼が細い滝の近くで休んでいると、石柱の方から青白い光がひょこひょこと動いて近づいてきた。 「……んー。何だよ」 そっけない言葉で迎えられた少年は、ああとかううとか言葉を濁した後で、 「いや、その……そう、何か、何か分かった……か?」 と遠慮がちに尋ねた。男はやれやれと首を振る。 「別に。まいったねーまったく」 「あれだけ見てそこら、回って、何かこう……何も収穫なかったのか?」 少年の物言いに男は、む、と顔をしかめる。 「そんなこと言ってもよー。……まぁ強いて言うならあそことか、よく見たら扉っぽい形してるような感じがするぐらいか」 男は石柱群の近くにある壁の一部を示した。少年は近づいていって自分の足のリングで壁を照らし出す。壁にはアーチ状の凹凸があり、確かに石扉で封じられた通用門のような形をしている。 「こ、これか?」 片足を上げていた少年はよろめきながらも聞いた。 「あー。鍵穴あるだろ」 「え? どこに? どこだよ」 男は石扉の脇にある小さな菱形の穴を指し示した。それは丁度腰の高さにあり、男の言うように鍵穴のようにも見える。 「ほ、本当だ! 何だ、で鍵は?」 「あるわけねーだろ」 「何だ、そうなのか……」 少年は落胆して肩を落とす。 そこで会話が途切れ、男はもういいだろうというふうに陰のほうへと歩いていってしまった。陰の暗闇へと男のリングの光が消えていく。少年は追いかけようとしたが、数歩歩いただけで足が止まった。そのまましばらくおろおろしていたが、壁の近くに女のリングの光を見つけるとそっと彼女に近づいていく。 女はもう眠っていた。彼女に身を寄せるように、しかし直接触れない程度に間を置いて少年は座り込む。女は起きない。 「そういえば、そういえばあの子がいないぞ……」 ふと気づいたように小声で呟いた。 まだ陽が昇らないうちに少年は目覚めた。寝ぼけ眼を擦りながら隣を見ると、昨晩そこに寝ていたはずの女の姿がなかった。 「あ、おい……? あれ……?」 庭園はまだ薄暗く、場所によっては足元も覚束ない。少年は壁に沿って歩きながら他の者の姿を探した。男は屋根の下の、最初に彼が目覚めた場所の近くで横になって眠っていた。少年は彼を起こさないように足音を忍ばせて横を通り過ぎる。 女は水路に架かる小さな石橋の近くにいた。半分に折れた石柱にもたれ掛かりじっとしている。少年が近づくと彼女は、おはよう、と小さな声で挨拶をした。 「ああ、……おはよう。……朝、早いな……あの……」 どこか緊張している様子の少年は、堅い声で挨拶を返した。女はもう少年のほうを見ていない。 「いっ、今何してるんだ? 何してた?」 「何も。……ねぇ、あの子、昨日の夜どこにいたかわかる?」 女は、水路の縁に座って木々を見上げている白い服の少女を遠目に眺めながら言った。 「あ……あのあれ、喋れない子……」 白い服の少女は昨日と同じ無表情のままその場所を動かない。女はしばらく彼女をその場から観察していたが、少女のほうはは二人を一瞥することもなかった。 空は明るみを増していき、どこかで鳥が囀り始めた。少年は手持ち無沙汰に明ける空を見上げていたが、ふと何かを思い立って女の裾を引いた。 「なぁ」 「何?」 「……その、ちょっと上に行ってみないか。ほらあれだ、あの、日の出でも見に」 少年は壁のほうを指差している。空の明るさの度合いからそちらの方角から陽が昇るのは分かるが、高い壁に遮られてその向こうの景色は見えない。壁の近くの階段を上れば外の景色が見られるかもしれない、と少年はたどたどしく説明した。女は始め遠慮の表情を浮かべていたが、少年が気落ちするのを見て仕方ないといった風に 「……そうね。少し行ってみましょうか」 とため息混じりに承諾した。少年の顔がぱっと明るくなる。 二人のそんなやりとりを、少女が離れたところからじっと見つめていた。二人が階段のほうへ向かうと彼女はその後に続いて歩き出した。二人に追いつこうとはせず、同じ歩調でついていく。 「んっ……。あの、あの子ついてきてるぞ。ほら」 彼女に気づいた少年が振り返って立ち止まる。離れた位置で白い少女もまた立ち止まった。 「……放っておきなさい」 女はそれだけ言ってすたすたと先へ行ってしまう。少年は戸惑いの表情を浮かべながらも早足で女の後を追った。 階段はそれほど長くはなく、最初の踊り場で途切れたような形をしている。その踊り場の上に立って二人は東の空を眺めてみたが、見える空が少し広くなっただけで地平までを視界に入れることはできなかった。空の端に近い雲が日の光を受けて眩しく輝いている。 跳んだり跳ねたりして壁の向こうを覗こうとする少年を尻目に、女は踊り場の構造を改めて確認した。踊り場はもう少し奥まで続いているようだった。白い服の少女が昨日現れたのはこの踊り場だった。彼女はその先へ行こうとして、足元に深い水溜りが出来ていることに気づいた。見ると、滝というほどの規模ではないが水が横の壁を伝って上から絶え間なく流れ落ちており、それが石材の窪みに水を張っているのだった。 そのとき、階段の下で立ち止まり二人の様子を見上げていた少女が何かに反応して突然動き出した。階段をとてとてと駆け上がって少女の前を通り過ぎ、水溜りを越えて奥へ進もうとしている女の腕を掴んだ。 「っ……何よ……!」 咄嗟に少女の腕を振り払い、女は彼女から距離をとる。それでも少女は無言のまま女に近づこうとした。思わず後退った女は水溜りの中へと片足を踏み入れる。 途端、彼女の足に奇妙な変化が起こった。 「なっ……ああっ」 肌の水に触れた部分がぐにゃりと変質し、瞬く間に水の中に溶けていく。土で固められた塊が水に浸されて泥に戻るように、彼女の片足は浅い水溜まりの水面に吸い込まれていく。体勢を崩して水の中へ倒れそうになった彼女は咄嗟に壁の突起を掴み、身を捩って水溜まりの外へと自分の体を投げ出した。 床に倒れこむ彼女に、異変を察した少年が駆け寄る。 「だっ、おい大丈夫か!」 「何なの……? これ……」 彼女の左足の足首から先、水に触れた部分が溶けてなくなっていた。彼女自身は痛みを感じていないらしく、呆気に取られた様子で自分の足を見つめていた。 「何だこれ、と……溶けたのか!? お前の足、う……んっ? どっ、どうしようぅ、ぅわ」 少年が慌てふためいていると、白い少女が彼を除けて女に近づき手を差し伸べた。動揺する女に、立てと言葉をかけることも無く何かを訴えるでもなく、ただ無表情に手を差し伸べている。女は少女の大きな瞳を覗き込んで固まっていたが、 「……何……?」 と、恐る恐るその手を取った。 そのまま立ち上がろうとするも上手くいかず、少女に寄りかかってしまう。小柄な少女は外見通り非力らしく、女の体重を支えきれずよろめく。慌てて少年が女の体を支え、三人はふらふらと歩き出す。 庭園の中心近く、水路に囲まれた土の上に少女は女を連れてきた。女は膝ほどの高さの台座に座らされる。少女は庭園の乾いた土を盛って小さな山を作り、女の左足をその中に埋めた。湿っていて冷たい土の中に少女は白い両腕を突っ込み、中で何かもぞもぞと手を動かしている。 「……何をしてるの?」 相変わらず痛みを感じる様子のない女は、しかし気味の悪そうな視線を少女に向けている。 二人から少し離れたところで、少年や騒ぎを聞いて起きてきた男が様子を見守っている。眠気の抜け切っていない目をしてぼんやりと立っている男に対し、隣の少年はそわそわとしており落ち着きがない。時々何か声をかけようと口を開いては、あの、ええと、と意味をなさない言葉を口にしている。 やがて少女は手を止めた。足の上の土を取り除いていく。 「あら……? 感覚が……」 女は眉を寄せた。 「どっ、どうしたんだおいっ」 少年は女の肩越しに彼女の足元を覗き込んだ。盛り土の下から現れた彼女の左足を見て、あっと声を上げる。水に溶けて崩れたはずの女の左足が元通りになっていた。白服の少女は無言で彼女の足に残った土を手で掃う。復元された自らの足を呆然と見ていた女は、少女の手に足先を撫でられて我に返ったように足を引っ込めた。 「何なの……?」 女は青い顔をして少女から離れた。見た目には何の違和感もない新たな左足を、彼女は恐る恐るさすって感覚を確かめる。その後ろで、少年は女の足と少女の顔を交互に見、素直に感激している様子だった。 「すっ、凄いな! なんだこれーっ……えぇ? ……魔法か? 魔法みたいだったっていうか、魔法?」 白い服の少女は首を傾げる。 「それ、どういう意味なんだ……分からないってことか……?」 今度は反応が返ってこない。大きな瞳で真っ直ぐに話し相手の目を見つめている。少年はやり辛そうに視線を逸らした。 「……ま、……あっ、そういえば、私もそうなのか? 水に触ったら私も溶けるとか」 白服の少女は頷いた。 「本当か……でも治してくれる……?」 二人の会話に興味がないらしい女は徐に立ち上がると、そろりそろりとその場から離れていった。その足取りはしっかりしており、左足は何事もなかったかのように彼女の体を支えている。 「あ……」 それに気づき、少年はふと熱が冷めたように口を閉ざした。思いつめた顔をした女は、他の者を拒むかのように屋根の下の柱の陰に消えた。 陽が中天を過ぎると庭園は途端に暗くなる。庭園からは東の空は見えるがそれ以外の方角は高い壁に阻まれているため日没は確認できない。雲が赤く染まることも無く、庭園から見上げる空は夜が近づくに連れて単調に光を失っていく。 「……ちょっといいか、ここ」 少年は、石柱群の倒れた柱に背を預けて座っていた少女に声をかけた。その呼びかけに彼女は振り返って少年の顔を見上げる。どこか及び腰の少女は、じゃ、と断って少女の向かいに腰を下ろす。 「……うん……」 少年はしばらくの間じっと黙りこくっていたが、やがてぽつりぽつりと話し出す。 「僕……何ていうか、……いけなかったか……」 屋根の下でうずくまっている女や庭園を歩き回っている男を横目で追いながら、少年は独白めいた言葉を零す。 「朝日見たいとか言って……まぁその、あれだ、結構僕なりに思い切って頑張って話しかけてみたんだ。話しかけてみたのに、あんなことになるなんてさ……」 少年はいつになく暗い顔をしている。少女はそんな彼を、感情の抜け落ちた澄んだ両目で見つめている。 「君は平気なのか? 僕は……あ、ごめん、何か変だな、僕」 はは、と笑ってみるものの、依然として少女は動かず、少年の気落ちは少しずつ深くなっていくようだった。 彼は膝を抱え込んで俯いた。殆ど独り言と変らない程の小声で呟く。 「……僕は嫌だな……一人は、何か……こう……」 少年は自らの腕を抱きしめ、小さくなった。その肩が微かに震えている。 少女はそれまでじっとしていたが、徐に少年の前で立ち上がった。時間を確認するように空を見上げると、少年を置いて無言でその場を去っていった。一人残された少年は膝と膝の間に顔を埋め、深い息をつく。 夕刻からぱらぱらと小粒の雨が降り出した。少年たちは雨を逃れて陰の下へと移動した。互いにある程度距離をとりつつ、皆黙りこくってじっとしている。女は思いつめた顔で座り込んで動かず、男は眠っているのか起きているのか分からないような気だるい表情を浮かべて柱にもたれかかっている。 少年は座ったまま体を少し前に倒し、立ち上がる途中のような姿勢で横目でちらちらと女の表情を窺っていた。彼女に声をかけるか迷っているような様子だったが、その視線に女は応えず少年の顔を見ようともしない。少年はその場で困ったような顔をしてうずくまっていたが、やがてのそのそと立ち上がって庭のほうへと歩き出した。足元に気をつけながら草地の手前に立ち、暗い庭園を見渡す。 「……どこ行ったんだろうな、あいつ……」 小声で独り言を呟いた。庭園には死角がほとんどないはずだったが、白い服の少女の姿はどこにも見当たらなかった。 「危ないわよ」 不意に背後から声をかけられ、少年ははっとして振り返った。庭園の奥の薄暗い片隅から女がこちらを見ていた。 少年が女のほうを振り向いたまま立ち尽くしていると、女はやや声色を落として 「水がかかったら、あなたも溶けてしまうかもしれない」 と言った。 「えっ……あっ、ぁぁ、う……」 変な声を上げて少年は曖昧に頷く。踵を返して陰の端へと静かに戻っていく。 女はまた俯いていた。少年は遠慮がちに足音を忍ばせながら、ゆっくりと女に近づいた。 「……あのっ! ええっと、そのあの……」 妙に緊張気味な少年を女は手を上げて制し、 「……座ったら。そこ」 と自分の隣を示した。少年は曖昧に頷くとそっと彼女の隣に腰を下ろす。そのまま女のほうを向かずしばらく口を開けたり閉じたりしていたが、やがて意を決したように彼は言う。 「……あの、今朝のこと……なんだけど、あ、あれだ。ん」 「何?」 俯いて口ごもる少年に、女は軽くため息混じりになりながらも先を促した。 「いや、ほら僕が何か、ちょろっと朝日を見に行こうとか言い出したから、君はその……ごめん……って言おうとしてから……」 言葉の端が萎んでしまう。女はそんな少年の様子を見て半ば呆れたように、 「そんなに緊張しなくていいのに。今朝のことは、あなたに対しては何とも思ってないから」 と言葉を返した。 「うん……。そうか、ごめん……」 「だから、謝らなくていいって。もう」 「……分かった。ごめ……あ、いや、そうか、分かった」 少年の声色が少しだけ和らいだ。目線を上げて、女と目を合わせる。女はやわらかく微笑みかける。どことなくぎこちなさの残る、しかし安心と安堵を滲ませた微笑を少年は返した。 「僕たちは何なんだろうな」 ぽつりと少年が零した。女はちらりと少年の横顔を見る。 「分からない。でも……この体は、土で出来ている……のかもね」 「土、って……僕もか……?」 少年は手で自分の頬を撫でて確かめる。 「ああ……僕たちは、なら土人間、泥人間なのか。僕は」 「そうね」 女は眉を顰める。 「いいえ、人間というよりは人形なのかも。足が……壊れても、何の痛みも感じなかったもの」 「土人形……」 少年は女の言葉を繰り返した。その言葉が自分に沁み込むのを待つように、声に出さず口の中で反芻する。 いつのまにか日没を過ぎ、庭園に夜の帳が降り始めていた。雨は止まず、しとしとと控えめな音を庭園に響かせている。 男は完全に眠りについたらしく、石柱の下で動く気配を絶った。少年は膝を抱えて座り込んでいる。徐々に眠気が訪れ彼はうつらうつらし始めた。 「……なぁ、その」 隣にいる女に、彼は眠そうに声をかけた。 「何?」 「あの……ここで寝ていいか。私、今日」 闇の中で女がそっと動いて床の上に横になった。 「私は気にしない」 「そうか。あの、ありがとうな」 そう言って少年もまた地面に寝そべる。頬に冷たい石の感触を感じながら、彼はゆっくりと瞼を閉じた。 そのうち寝息を立て始めた少年を、女はしばらく見つめていた。少年の肩にそっと手を伸ばして触れる。少年はもう寝付いてしまったらしく反応しなかった。女は壁にもたれかかった。目を閉じると体の力が抜けていく。 彼女の首の後ろでは長い髪をまとめるリングが光を放っていた。その光は、隣にいる少年の足首のリングのそれよりも少しだけ弱い。 木立の上のほうから小鳥の囀りが聞こえてくる。背の高い木々の枝は所々に実をつけており、朝になるとそれをついばみに鳥たちが集まっているのだった。 「おーい。お前、降りて来い、この」 少年が木の下から鳥たちに向かって声をかけていた。鳥たちは枝を移りはするが、なかなか下へは降りてこない。少年は木の幹に手をかけて揺らそうとしたが、 「いやそれはないか。そうだな。あの、……食事中に迷惑だ、僕。それにしても」 と一人ぼそぼそと呟いて木立から離れる。 するとそのとき、一羽の小鳥が枝を離れて空を滑り土の上に舞い降りた。何羽かその後に続いて石柱や倒れた木の幹などに留まる。土の上に落ちた木の実をついばむ者もいれば、ただ降り立ってひょこひょこと土の上を飛び歩いている者もいた。 少年はしゃがんで面白そうに鳥を眺める。 「ふふ。来い、来い。来ないか。あ、来た。素直だなお前」 近づいてきた鳥に手を差し伸べると、鳥はすぐに飛び立って地面を離れてしまう。少年はそれでも微笑みながら飛んでいった鳥を目で追った。 「鳥を見てるの?」 女が現れ、少年にそう声をかけた。少年は、ああ、と言うと振り返って立ち上がる。 「その、可愛いなと思って。可愛いなぁ。はは。まぁそこに泳いでる魚も可愛いけど」 彼の言うように、そこまで深くもない水路を、魚の影が通り過ぎることがあった。女はそのことに言われて初めて気がついたらしく、感心したように少年を見て言う。 「よく気がついたわね。あなた」 「そうか?」 女は頷く。 「少し羨ましい」 「は? 何が? え」 ぽかんとする少年に女は微笑みかけた。 「あなたは、いつまでもここで生きていけそうだから」 「……え? え?」 女の言葉に少年は混乱した様子だった。 「あの、君は生きていけないの、……か……? ここじゃ……」 女は小さく首を傾げて見せる。 「さあ。でもどことなく不安なところもあって、そんなにのんびりとは構えていられない。多分、彼も同じ……」 女の視線の先には何度も同じところを見て回る男の姿があった。もう既にそれが日課になっているのか、あるいはまだ新たな道の発見を諦めていないのか、彼は今日も庭園の壁を丹念に調べて回っている。 少年は手を振って大声を張り上げる。 「お、おーい! そこのー! あの……」 呼ばれた男は足を止め、何だよ、という風に少年のほうを向いた。特に非難めいた目線ではなかったが、彼と目が合うと少年は変に肩に力が入ってしまい、 「い、や、その……特に用はなかった」 と慌てて手を下ろした。 男は変な顔をして二人のほうを見ていたが、すぐにそっぽを向いて歩き出した。 「飽きないな、あいつも」 「そうね」 二人は顔を合わせて笑い合う。魚が水面を跳ねる音がして、少年はそちらに興味を牽かれたらしく水路を見に行った。 水路のほうで女と少年が何か話している。時折少年の楽しそうな笑い声と女の落ち着いた相槌が聞こえてくるが、その内容までは男のところへは届かない。彼自身、そちらにはさして興味を払っていない様子だった。 彼が見ているのは壁や石材の段差の陰ではなかった。白い服の少女の様子を、彼は歩きながらさりげなく観察していた。この日は少女は男が目覚めたとき既に庭園に姿を現していた。それから彼女は屋根の下に下がって段差に腰を下ろしじっとしている。時折思い出したように立ち上がっては移動するが、屋根の下からは出なかった。 一度少年が少女に恐る恐る近づいたが、言葉を話さない上に相手の言ったことを理解しているかどうかも定かではない彼女相手に話を続けられず引き下がった。少年はその後も度々少女のほうへ視線を送ったが、その回数も次第に減っていき、今、彼は主に女と一緒にいる。 男が石柱群のうちの一本にもたれかかって足を休めているときだった。少女が立ち上がり、屋根の陰の下から出て階段を上っていった。女や少年は水路を覗き込んでいて気づいていない。 階段を上ると、少女は木立の向こう側へ入ったため男のいる位置からその姿が隠れてしまった。男は慌ててその場を離れて彼女の姿を追う。 少女は階段を上った先の中二階にいた。その横を落ちる滝に近づくと、その裏へと姿を消した。 「あっ! おいおい、あそこかよ……」 思わす男は感嘆の声を漏らした。 滝はそれほど太くはなく、水量も少ない。水は垂直より僅かに傾斜した壁面を流れ落ちているのだが、その横の僅かな壁面、木の影と水しぶきで見えにくくなっているその隙間に、細い通用路が口を開けていた。 男が庭園の反対側からしばらく観察していると、そのうち少女がまたその中から現れた。階段を下りると、女や少年、そして男の姿をそれぞれ確認し、またてくてくと屋根の下へ行って段差の上に座り込む。 そのうち、少年がまたそろそろと少女に近づいていった。何やら一緒に遊ぼうと誘っているらしい。当然のように少女は無反応だった。それでもめげずに意思を伝えようとする少年の数歩後ろで、女が消極的に様子を見守っている。 男は少女が自分のほうを見ていないことを確認すると、足音を抑えて庭園を回り込み、階段を上って滝の裏の門へと身を滑り込ませた。 水を被らないよう気をつけながら滝をくぐると、男は確認のため背後を振り返った。入り口の門の遥か彼方に見える少女はまだ少年たちと一緒におり、彼のことには気づいていないようだった。通路は二人の人間が行き交えないほど狭かったが、同時に短く男はすぐにその先の部屋に出た。 無闇に広がりのある庭園に比べると、そこは遥かに小さな小部屋だった。古びた木の机が窓際に一つと部屋の中央に一つあり、高い本棚が一方の壁を覆っている。机の上は比較的整理されており、何かの木箱や筆立てなどが並んでいる。だが、壁には複雑な図形や細かな文字などが書かれた紙がそこかしこに貼り付けてあり、部屋は非常に雑然としていた。部屋の隅には土嚢が積み上げられており、床には工具や割れたガラス器具などが転がっている。酷く散らかってはいたが、どこか落ち着いた生活感の漂う部屋だった。 男が一歩足を踏み出すと床で埃が舞う。 「……掃除しろよ、まったく」 男は顔をしかめながらも部屋の調査へ乗り出した。 本棚はどの段もびっしりと本で埋め尽くされていた。古くて文字が判別できないものもあれば、紙が丈夫でそれほど日焼けしていないものもある。男は適当に数冊手に取って頁を捲ってみたが、そのたびに首をかしげて元の場所に戻した。 「そうか、っていうか俺字読めないんだな。今更だけど」 彼は腕を組んで考える仕草をしながらぼやいた。彼の目の前には膨大な資料があったが、その内容を知ることができない彼はやれやれとぼやきつつ本棚を見上げる。 男はふと壁に張ってある紙の一枚に視線を移した。壁の紙は誰かが直接書き留めたものが殆どのようだったが、その中に手書きの図面のようなものがあった。表面に細かい溝が彫られた輪のような道具の三面図と、その横に粘土で人の形を象った雑な図が書き添えられている。二つの図は書き留めや数式などで取り囲まれていた。 男はしばらくその図を凝視していたが、はっとして自らの腕にはまったリングに触れた。 「……これのことか?」 自分の腕にはまったものと図のものとを見比べてみると、細かい凹凸は異なるもののほぼ同じもののようだった。図をよく見るとリングには二つに割ることができそうな切れ目が入っていたが、実際に男にそれを外すことはできなかった。 そのとき、男の背後で裸足が床を踏む音がした。男が振り向くと、部屋の入り口に少女が立っていた。何も言わず男の顔を見上げている。 「あー……何? 何だよ」 男はばつが悪そうに視線を泳がせる。 少女は床に転がった器具などを器用に避けながら男を通り越して部屋の奥に進むと、窓際の前に立った。机の上にあった小さな木箱をそっと自らの背後に隠した。振り返って男の顔を一度見、視線を伏せる。 男は何だよ、え、と呟くと、すごすごと部屋の出口へと向かった。部屋を出る前に一度だけ立ち止まり、振り返って部屋と少女を見る。 「しかしなんというか……ここ、お前の部屋? だったらちっとは片付けたほうが……」 男の言葉に少女は首を振った。彼女から反応が返ってきたことに男は少し驚いた。少女は机の椅子を引いてそこに腰掛ける。木箱を抱え込み軽く頬杖をついて、頭上の窓から空を眺める。 男は憮然顔のまま部屋を後にした。 木漏れ日を抜けて下へ降りる階段へ足をかけたとき、水路のほうから 「あぁっ、おい! そこの」 と彼を呼ぶ声がした。少年が何やら慌てふためいた様子で彼の元に駆け寄ってくる。 「おいちょっとお前。人の髪の毛つかまえて何名前みたいに呼んでんの」 「あ、え? あの……ごめん、悪かった、男」 少年は男の前でおろおろと地面に視線を這わせている。男はやれやれと肩を落として、 「で何。何かあったの」 と尋ねた。少年は、あぁ、その、と口ごもりながらも答える。 「さ、あの子どこにいったか知らないか? 実はその、何だ、このちょっと指がその」 「ん」 男は腰を少し落として少年の手を見る。彼の右手の人差し指が、根元からなくなっていた。断面は泥のように変色し、まだ水気を含んでいるようだった。 「げぇ……お前もかよ。何したの一体」 「何って、え……あの、あれだ。いや……」 言葉に詰まる少年に階段の下へやってきた女から助け舟が出される。 「その子、自分で水路に指を突っ込んだの。試してみるって」 「はぁ?」 男が顔を覗き込むと、少年はあははときまり悪そうに笑った。男はため息をつくと、親指で滝の裏の通用路を示した。 「あそこに通れるところがあって、その先の部屋にいる」 「あっ、ありがとう!」 少年はそう言うや否や階段を駆け上って滝のところまで走り、そこへ行って初めて狭い門に気づいたらしく驚いて変な声を上げた。 「なんだこれ、こんなところに何かあるぞ! うぉ、え……?」 「いいから早く行けよ」 男は独り言のような小さな声でそう呟いたが少年は聞こえていたらしく、彼は水しぶきを気にせず門の中へと消えていった。 「あの……すまなかったな。僕、自分も水に触ったら溶けるのか知りたくて……いや、駄目だけど。とっ、とりあえずとにかく、あのもうやらないから。ごめんな」 目の前の少女に少年は繰り返し謝るが、少女は澄ました顔で少年の右手の上に盛った土の中で黙々と手を動かしている。水路に囲まれた庭園の草地に座る二人を、残りの二人は遠巻きに見ていた。 少年はしばらく黙って少女の治療を眺めていたが、やがて伏目がちに彼女の顔を窺いながら、 「……あの、さっきの……部屋、なんだけど……」 言いにくそうにそう切り出した。少女は手を止めて少年の目を見つめ返し、何? と言うように首を傾げた。意思が通じている感触を得た少年は肩の力が抜けたらしく、その話し方が少し滑らかになる。 「あそこは、君の部屋なのか? あそこで君はその、僕たちを作った……とか」 少女は首を横に振る。その手は治療を再開していた。 「あ、違うのか。あれ、今どっちの質問に答えたんだ? えーと……まぁそのとにかくだな。じゃぁ、でも僕たちは土でできているんだよな。君がその、ここの土から作ったんだよな? 僕たちを。何で……」 少年はふと言葉を切った。少女は相変わらず無言で土をいじっている。互いに向き合うと頭一つ分ほど低い彼女の顔を少年は見下ろしている。 「いや、あの……別に私はなんと言うか、無理に聞き出そうとかそんなんじゃ……ただ……」 自然に言葉が途絶えてしまう。少年は少女の顔色をどこか遠慮がちに窺っていたが、そのうち俯いて自分の手を見つめるようになった。 やがて少女は少年の腕を取り、周りの土を払った。土の下から現れた少年の右手は、水に溶けた人差し指が完全に元通りになっていた。 「わぁ、すごいな! 本当に魔法なんだな……」 一気に顔を明るくした少年を置いて、少女は立ち上がって階段のほうへ歩き出した。背後で少年が礼を言うが、少女は気にせずてくてくと階段を上り、滝の裏へと消えていった。男の視線がその後を追うが、彼女が見えなくなると男は腰を上げて一人屋根の下へ消えた。 「よかった、元に戻った。あぁ怖かった。正直」 女の前で少年は右手を握ったり開いたりして見せる。女はほっとしたような顔で、 「もうやらないでよ。あんな意味の無いこと」 と念を押すように言った。 「大丈夫だ。痛くないけど気持ち悪いしな。何か」 「そう。そうね」 女は軽く相槌を打つと、少し間を置いてから 「あの部屋、何だと思う? 私も少し覗いてみたんだけど」 と目で滝の裏を示しながら少女に尋ねた。 「字が読めないからそんなに詳しくは分からないけど、私たちが作られた仕組みや理由みたいなものが置いてあるような気がした。きっとああいうのが魔法なのね」 「そう、かな。かもしれないけど。うんまぁ」 少年の返事は曖昧なものだった。女が訝しげな目線を送ると、少年はぽつりぽつりと話し出す。 「いやその……あんまり見て欲しくないのかなって。あそこ、あの部屋……とか。あの子が」 「え? あの子にそう聞いたの? 見ていいかって」 「そうじゃなくて、そうじゃないけど、何か……何となく、何となくな」 少年は木立から出て空を振り仰ぎ、深呼吸する。空を流れる雲はいつになく厚く、まだ昼間だというのに太陽の位置が分からずやや薄暗い。遥か頭上で鳥の群れが風に乗って空を渡っていく影が見え、少年はそれを追って走り出した。 ●○○○ 近くで風の音が聞こえて、少年はぼんやりと目を覚ました。冷たい風が頬に触れる髪を揺らしている。彼は眼前を覆う前髪を掻き上げると石の床の上で寝返りを打ち、また目を閉じた。 月明かりのない闇夜だった。絶えず降り続けている雨は風に吹かれ、屋根の下の中ほどまで降り込むこともあった。三人は屋根の下の最も奥にあたる隅のほうに寄ってうずくまって寝ていた。少女の姿はやはりそこにはない。 少年は寝返りを打ったまま少しの間じっとしていたが、やがて再び目を開けた。風雨の音が長い反響を伴って辺り響き渡っていた。少年は自分の肩を抱いて小さくなるが、なかなか寝付けないらしくまた寝返りを打つ。 「う……ん……」 目を擦り、少年は半身を起こす。他の二人は完全に寝入っているらしく、小さな寝息が闇の向こうから聞こえてきていた。少年は手探りで壁に触れると、暗闇に浮かぶ小さな光点を道しるべに女が寝ているほうへと歩いていった。 近くまで来ると、リングの仄かな明かりでうっすらと女の姿が見えてくる。彼女は壁と壁が接する狭いところに身を寄せるようにして横になっていた。少年はその近くに座り、壁にもたれかかろうとして不意に動きを止めた。すぐ近くから水が流れる音が聞こえてくる。 「え……? あ……おい……」 そっと女の肩に手を添え、彼女を起こそうとする。そのときになって初めて彼は女の体の異変に気づき、 「う、うわぁっ! おい、ちょっと、おい!!」 と大きな声を上げた。 壁と床との間の段差が丁度樋のようになり、庭園に溢れる雨水がそこを流れて女の近くまで来ている。偶然に出来た樋は女が身を寄せる壁の端で終わり、そこから床の上へ流れ落ちて大きな水溜りを作っていた。女の腰がその水溜りに浸かっており、彼女の体は水の中へ溶解しかかっていた。 「おいっ、起きろ! おい!!」 少年が女の肩を揺さぶると、彼女の体は腰を中心にぐにゃりと不自然な角度で曲がった。 「うぉっ!?」 少年は慌てて手を離す。 「え……何……? 何か……あったの……?」 ようやく女は目を覚まし、気だるそうな声を上げた。状況が掴めずぼんやりとしていたが、すぐに体の異変に気づき悲鳴を上げる。すぐに立ち上がろうとするが足に力が入らないらしく、彼女は指先で床を引っ掻いた。 少年は女の上半身と下半身を同時に掴むと、力を込めて彼女の体を引きずり水溜りから引き上げた。床に泥の跡が残る。 「嫌っ、何っ、これぇ……っ!!」 女は半ば恐慌状態に陥っている。少年はどうしていいのか分からずおたおたしていたが、自分の足首のリングの光で照らされた女の姿を改めて確認し、思わず息を呑んだ。 「これちょっと……まずいんじゃないか……」 女の左半身の腰から脇腹にかけての部分が、服の上からでも分かるほどごっそりと失われていた。左足の付け根は彼女の手首よりも細くなっている。 「おい、どうしたってんだよ、こんな時間に」 騒動を聞いて起きた男もその場へ駆けつけた。女の体と雨水を見て、状況を理解し絶句する。 「まさかっ……こりゃ、なんつー……」 「どっ、どうしよう!」 少年は男に詰め寄るが、男は呆然とするだけで言葉を返すことができない。 「は、早く……逃げないと……!」 自力で立ち上がろうとする女を、咄嗟に男が制する。 「よせ、足がもげちまうぞ! 落ち着いて寝てろ、そこで!」 「そう、そうだぞ、あの、私ん、呼んで来るから! あああの子、今すぐ! ここにっ」 叫ぶようにそう言うと、少年は庭園のほうへ駆けだす。雨脚は全く弱まる気配を見せず、庭園を閉ざしていた。その中へ入れない少年は雨に濡れないぎりぎりのところで足を止めると、 「おい! 大変、大変なんだ! 来て、来てくれ!! 頼む、大変なんだ、おいこら!」 と闇雲に大声を張り上げた。降りしきる雨が彼の声を瞬時に掻き消すが、彼は諦めず闇に向かって少女を呼び続けた。しかし庭園に彼女が現れる気配は一向にない。 「……無理だろ。この雨じゃ、あの部屋まで聞こえるわけもねーし。さて」 男はそう呟くと、放心状態で小刻みに震えている女の前に屈み込んだ。自分のリングで彼女の体を照らし出して観察する。腰の辺りが激しく陥没し、その周辺の服は泥で汚れている。水面から引き離したことでそれ以上浸食は進んでいないようだった。 女は仰向けになり、呆けた顔で天井の暗闇を見上げている。 「土人形たーね……。……ん?」 男はふと何かに気づくと、体勢を低くして女の後頭部を覗き込んだ。 「な、何?」 「ちょっといいか? 頭上げてもらって」 そう断ると、男は女の頭を持ち上げて彼女の髪を束ねるリングを確認した。それを自分のリングと見比べる。女のリングが放つ光は、男のリングよりも弱く儚かった。 背後では少女が未だに風雨に向かって少女を呼び続けている。雨はまだ弱まる気配を見せなかった。 明け方になってからようやく雨は上がった。庭園の土はすっかりぬかるみ、水路は泥水で底が見えなくなっている。少女は現れず、結局なすすべの無かった少年たちはできるだけ水から遠いところへ女を移動させて休んだ。夜中に騒動があったせいで皆疲れ果て、日が昇ってからも三人は寝入っていた。 日がかなり高くなり庭園の石畳の上の水があらかた乾いた頃だった。何か重いもので床を擦る音を聞いて、眠りの浅かった男は目を覚ました。 「何だ……?……あっ」 はっとして飛び起きる。 少女が三人のいる屋根の下へと向かっていた。彼女の体と同じかそれよりも大きな土嚢を引きずっている。その動きは非常に遅く、一歩進むまでに五、六回は土嚢を引きずっていた。 「おーい、起きろお前ら」 男は二人を呼び起こすと、少女を手伝いに行った。 横になったまま動けない女のところへ男に土嚢を運んでもらうと、少女は乾いた土を床の上にあけ、それで破損した女の腰の上に土の山を作りはじめた。 「あの、て、手伝おうか? 僕」 少年はそう提案したが少女は首を振る。少年は、そうか、と少ししょげた顔をしたがすぐに笑顔になって女の顔を覗き込む。 「よ、やったな、これでこう何とかなりそうで」 「嫌……」 しかし女の顔は暗く、少年はたじろいだ。 「どうす、どうしたんだおい……」 「やめて……触らないで、気持ち悪い……っ!」 彼女に土を被せる少女の手を叩き掃った。少女は手を止め、女の前で固まる。 「何言ってるんだこら、ちょっと。な……大丈夫か……?」 少年が何を言っても女はどこか虚ろな目をして小刻みに震えていた。少年は困ったように少女を見るが、彼女からは何の思考も感情も読み取ることが出来ない。 男は考え込むような目で女の様子を見ていたが、そのうちふらりとその場を離れて一人滝の裏の部屋へと消えて行った。 時間が経つに連れ、次第に落ち着いてきたのか女は少女の治療を許すようになった。少女の治療は長く、昼を過ぎても終わらなかった。少年は黙って二人に付き添った。時折男が庭園に戻ってきて遠目に様子を確認したが、彼は声をかけることもせずすぐにまた小部屋へと戻っていった。 辺りが暗くなってきた頃、少女はやっと女の体から土をどかし始めた。少年もそれを手伝う。女は疲れてしまったのか、横になったまま眠りに入っていた。 「あの……おい、終わったぞ。起きろ、ちょっと」 少年に揺り起こされ、女は起き上がった。腰に手を当ててそこが元通りに復元されているのを確認し、 「……ああ、そう……」 胡乱げにそう呟いた。 立ち上がり、服を上から叩いて土を払う。溶けた部位は修復されていた。だが立ち上がって少しした後、女は急にふらっと体勢を崩して倒れそうになった。 「ちょっ、ちょっと!」 慌てて少年が支え、ゆっくりと座らせる。女はようやくはっきり目が覚めたらしく、 「あっ、ごめん、ぼうっとしてて」 と少年の手を借りて床に座り込んだ。その顔を少年が心配そうに覗き込む。 「……何か、変じゃないか、どこか苦しいとか何かそんな……?」 「え……いえ、分からない。けど……」 女は自分でも何が何だか分からないといった顔をしていた。再び立ち上がろうとして、目の前に少女が立ちはだかっているのに気づく。少女は大きな瞳で彼女の顔を見下ろしていた。その視線に射抜かれたように女はうっと呻いて固まる。 少女は彼女の肩に手を沿え、彼女を深く座らせた。立つな、と言っているようだった。しかし彼女の接触に対し女は過剰に反応して、 「やめてって言ってるでしょ……!」 と這って少女から距離を取った。少女は俯き、とぼとぼと庭園のほうへと歩いていった。いつの間にか庭園に戻ってきていた男の隣を通り過ぎ、滝の裏の部屋へと消えていく。 少年は些か憤慨したらしく、女の前に屈み込み目線を合わせる。 「君ちょっと何かおかしいぞやっぱり。っていうか、まぁ……あんなにあの子をその、何ていうか、冷たくないか? いくら何でも」 「……ごめんなさい」 妙に神妙な調子で女は謝った。少年は困ったように矛を収める。 「いや別に、その……いいんだけど。あの……」 女はどこか眠そうな目をしていた。少年に対する反応も緩慢で、言動もはっきりとしない。 そのうち男が庭園から戻ってきて、 「今日はもう屋根の下から出るなよ。また降りそうだしな」 とだけ告げると一人隅のほうへ行ってしまった。少年は女の容態が気にかかるらしく彼女のそばを離れない。 辺りがすっかり暗くなると、昨晩ほど激しくはないが庭園に雨が降り出した。少年は立ち上がり、昨日女が水に浸かった辺りを調べに行く。水はまだ引いておらず、壁の近くには泥の塊が見られた。女の体から欠損したものの名残だった。少年は顔をしかめてううと唸る。 女は焦点の定まらない目を開けてじっと床に横たわっていた。少年はその横に膝をついて彼女を起こす。 「おい起きてくれ。ちょっと動こう、また水来るかもしれないし。な」 反応の鈍い女の腕を取り、無理矢理立ち上がらせる。女は少しずつ意識が覚醒してきたようで、そのうち自分から歩き出した。二人は水溜りや壁から離れ、水溜りから遠くて雨の吹き込みそうにない位置へと移動した。 「ありがとう」 腰を落ち着けると、女は幾分かはっきりとした言い方で少年に礼を言った。 「あの、いや……別に。僕は、えーと」 彼女の隣に腰を下ろしながらぼそぼそと言葉を返す少年を見て、女はくすりと小さく笑った。 「いいえ。それに……ごめんなさい。随分手をかけさせちゃって」 「いいよ、僕は特に大変でもなかったし。君は僕より軽かったしな。何か」 「……そう」 女の声の調子が落ちる。少年は訝しそうにちらりと隣を窺った。 「どうした……?」 「昨日から今日、ふっと自分が分からなくなるときが時々あって、眠いわけでもないんだけど変に体から力が抜けたり……。……あの子……」 「え?」 少女は聞き返すように女の顔を見た。 「あの子が嫌いな訳じゃない、ただ少し……気味が悪いって感じるところがあるだけなの。けど、意識が抜けかけてるときだと妙に神経質になって……私、あの子に酷いことを言ったかもしれない」 「あ、え、覚え……」 覚えていないのか、と聞きそうになった口を少年は噤んだ。女はしかし少年の顔を見ずに軽く頷く。 「ただ、私の体を治すとき、あの子から何か、悪意や嫌な感じとか、そういうものを感じたことは無かった。きっとそれは確かだと思う。……結局、私が臆病なんでしょうね。私はあなたみたいにあの子に接することができない……」 「……は? あの……」 少年は女の意図が掴めず聞き返そうとしたが、それきり彼女の言葉は途絶えてしまった。少ししても何も言って来ず、少年は彼女の顔をそっと覗き込む。女はどうやら意識を手放しているようだった。それは眠りについたといった風情とは少し違い、両目は閉じていたが体の力は抜けていなかった。意識を維持する時間の限界に達して自動的に昏睡してしまったかのようだった。 少年は声をかけて起こそうともしたが、結局彼女をそっと仰向けに寝かせると、自分もその近くに横になった。 よく晴れた昼下がりだった。二、三日の間繰り返し降っていた雨は完全に上がり、庭園の土はまだ少し水気が残るものの土人形たちが気にせず歩けるほどには乾いていた。増水した水路は中々水が引かず、雨が降る前より透明度の下がった水は流れる勢いも増したままだった。 少年は木立の下をうろうろと歩き回っていた。鳥は来ていなかったため、彼は軽く木々を揺らして木の葉が散るのをぼんやりと見上げるということを繰り返していた。 「よく、飽きないわね」 草地の上に座って倒木の幹にもたれかかっていた女が言うと、少年はきょとんとした顔を彼女に向ける。 「飽きる? っていうか、まぁ、あの、何とも思ってないっていうか」 「……え?」 少年はもっと正確な言葉を探して唸るが結局諦め、女の近くに寄ってきた。 「気分、どうだ? 今日はそんなに何か、あの、結構いいみたいかなって思うけど」 「ええ」 女は僅かに頷いた。先ほどから少年との会話の中では彼女の口が動くだけで、体の他の部位は固まったように動かなかった。 「体は動かしづらいけど、意識は結構はっきりしてる。昨日の夜に比べたら、少しぼーっとしてるけど」 「そ、そうか。うん、よかった」 「ごめんなさいね。気を遣わせてしまって」 「もうやめろよ、その、そういう。僕はこう、他にやることが無いんだから。……ん、何か僕、今駄目なこと言ったな。あれ……やっぱり何か失礼だったぞ私」 少し考えた後に申し訳なさそうに口を開きかける彼を制して、女は 「そっちこそ気にしないでよ。……何だかキリがない気がしてきた」 と薄く微笑んで見せた。少年は、そうか? と笑顔を取り戻す。倒木に腰を下ろし、横目で女の髪を留めるリングを見る。明暗の疎らな木漏れ日の下では、そのリングが光っているのかどうか判断することは難しかったが、少女のそれと比べると女のリングはまた一段と輝きを失っているように見えた。 「あっちに行こうか」 少年はふと思い立ったようにそう言って立ち上がった。 「あっち?」 「日の当たるところ。ほら、あの人が何か昼寝してるところ」 少女は石柱の上で横になっている男を指差した。 「あ、邪魔したら悪いか……えーと……うん……」 「いいじゃない、どうせ起きてるでしょうし」 「そうだよな、うん」 頷くと、少年は女の前に手を差し伸べた。女はぎこちない動きで腕を上げてその手を取り、ゆっくりと腰を上げようとする。が、上手く体が動かず中途半端な姿勢のまま固まってしまう。 「だ、大丈夫か。無理なら……」 「平気。手、そのままにしておいて」 「ん、ああ」 少し体がほぐれたのか、女の動きは幾分か滑らかになった。少年に支えられ、どうにか草地の上から立ち上がる。だが立ち上がった反動で目が眩んだらしく、急に体の力が抜けて彼女はよろめいた。 「きゃっ」 「わっ、危なっ、い!」 少年は咄嗟に女の手を掴むが、思いのほか勢いよく彼女は転んでしまい、強く少年の手を引っ張った。少年は踏ん張るがその反動で彼女の腕に不自然な歪みが生じる。不穏な感触を覚えて少女は思わず手を離す。 地面に倒れこんだ衝撃で脆くなっていた女の腕の肘から先が崩れ、彼女の体から離れてしまう。腕はごとごとと木立の落葉の上を転がった。乾いた土くれが腕の断面からぼろぼろと落ちる。 「ちょっ、しま……おいっ! ご、ごめん僕、今っ……!」 慌てて女に駆け寄った少年は繰り返し彼女に謝った。 「あ……。うう、しまった……っ」 意識ははっきりしているらしい女は泣きそうな顔で少年を見上げ、彼を安心させるよう無理に笑顔を浮かべる。 「だ、大丈夫よ。随分脆くなってたのね、私……。……悪いけど、あの子呼んできてくれない? 今部屋にいるはず、だから」 「わ、わかった! ちょっと待ってて、な!」 そう言うなり少年は階段のほうへと駆け出した。残された女はもう片方の手をついて自力で上体を起こした。外れた自らの腕を探して辺りを見回し、既に手の形を留めていない土の塊を見つける。思わずうっと呻いて目を逸らし、いつの間にか石柱の上で身を起こして彼女のほうを見ていた男に気づいた。 二人は少しの間互いに様子を見ていた。二人の間ではあまり言葉を交わしたことがなかったためか、男と女はすんなりと言葉が出てこないようだった。 「困ったわね。水に近づいてなかったのに、私……」 やがて女が少し大きな声で男に話しかけた。男はじっと彼女の姿を観察した後、低い声で応える。 「……もう大分限界が近いみてーだな。あんた」 「そうなの……? え、えぇ……そうかもね……」 女の声の調子が下がった。彼女は自分の崩れた腕の断面を見て、思いつめた顔をしていた。 少年が部屋に駆け込むと、少女はやはりそこにいた。机の椅子に腰を下ろして窓の外を眺めている。 「いたっ、おい、来てくれ! あいつが、あの……何かあの女の人! あの人が腕がこう、ごっ、て取れて、その、とにかく治してくれ……っ」 少年の言葉を聞くと少女はすっと立ち上がり、部屋の隅に置いてあった土嚢をその小さな手で掴んだ。相変わらずの調子で少しずつ少しずつそれを部屋の出口へ引きずっていく。 「え、あ……そうか、それ、使うのか」 少女は頷く。少年は彼女に近寄り、彼女の代わりにそれを引きずる。 「ああ、もう、あの男連れてくるんだった……」 文句を言いながらも、少女より遥かに早く彼は土嚢を引きずっていく。少女はその後ろに続いた。 部屋を出る直前、少年はふと壁に貼られた一枚の紙に目を留めた。走り書きのような字がびっしりと書き込まれていたが、土人形を作る過程を示したような図が載っている。 「あ……そうだ、あの、もっと根元から治してやれないのか? ええと」 少年は立ち止まり、少女を振り返って尋ねる。 「何ていうか、あの人どんどん悪くなってるんだ、そうだろ?」 少女は頷く。 「やっぱりか。その、僕みたいに元気な状態にってのは……」 少女はすぐに首を振った。少年はたじろぐ。が、すぐに何か思い立ったらしく、じゃぁ、と更に食い下がる。 「あの、この輪っかが、その、何ていうの、私たちなんだろ?」 少女は頷いた。 「じゃぁ、あの人の、あの輪っかは替えはないのか? 他の新しいのとか」 またしても少女は首を振る。 「そ、んな……あのままだと、あの人、ひょっとして死んじゃうんじゃないのか……」 今度は、少女は即答はしなかった。視線を落として動きを止める。そのうち少年が引きずる土嚢を少女も掴み、二人は部屋の出口へ向かってそれを引きずり始めた。 女は木の幹に片腕を回すようにして掴まり、震えながら自らの足で立ち上がった。 「何……出る……? ここを……?」 彼女は男に睨むような視線を投げていた。男は石柱に座ったまま、ああ、と応える。 「どうやって……」 「一応何とか行けそうな道は見つけた。まーほとんど捨て身なんだけどね。もっと晴れの日が続いたら、俺はここから出てみることにする」 男は庭園の高い壁を見上げて言った。出口はないが、空は大きく口を開けている。 「登る気……?」 「それ以外にねーだろうが。ずっとここにいてもいつか俺は、言っちゃ悪いがまぁお前みたいなことになるんじゃねーかって。俺はこっから出たいんだ。外に出れば何か分かるかもしれないし、寿命が延びるって展開もあるかもしれねー」 「そんな……」 女の声は震えていた。彼女は自由にならない足を無理矢理動かして男のほうへ近寄ろうとする。男はそんな女の様子を見て察し、小さく舌打ちした。 「お前は無理だ、そこでじっとしてろ。なんつーか言いにくいけど、お前もう体あんま動かねーだろ。ここで待ってりゃ、まーひょっとしたら俺が外から道を開けられるかも知れねーし……」 「違うっ」 女は男の言葉を遮った。水路の橋に足をかける。 「分かってる、私はもう無理……! もう、意識がない時間のほうが長いもの……。でもあの子は、あの子達はどうするの? 私は多分、もうすぐ……それであなたがいなくなったら、あの子達はここにたった二人残されて、片方は言葉が喋れないって言うのに……!」 呂律が回っていない箇所も多いが女はまくしたてるように言った。 「仕方ねーよ。第一、……あの子のことなんて、何考えてるかそもそもわかんねーし、あのガキも別に俺が必要って訳じゃなねーだろ」 「違うっ……本当はもっと……」 そこまで口にしたとき、女の顔から不意に表情が消えた。目が虚空を眺め、ゆっくりと姿勢が前傾になっていく。 男の顔に、まずい、という表情が走った。駆け出して女の体を支えようとするが、それよりも早く彼女の体は石橋の上で倒れ、水しぶきを上げて水面に呑まれた。派手に飛び散った水しぶきを男は思わず後退って避ける。 空を切り裂くような悲鳴が聞こえた。少女を連れて戻ってきた少年が階段の上にいた。彼は水路へ飛び込む勢いで我武者羅に走り出す。男は少年に制止の声をかけようとするが、そのとき初めて女がまだ石橋に片腕でしがみついていることに気づいた。 「だぁっ……! こっ、ちょっ……つ、掴まれ! 何、何やってるんだおい!!」 石橋に辿り着いた少年は無我夢中で女の腕を掴み、水面から引き上げようとする。水しぶきが少年の顔や体を溶かすが彼は気にも留めない。 「は……なれ……て……」 そう呼びかけた女に対し、 「な、何言ってるんだよ……正気か!?」 少年は必死に彼女を引き戻そうとする。だが女の胸から下は既に水流を大いに濁して溶けてなくなっている。それに気づいた少年の顔が青ざめていく。辛うじて彼女の体を繋ぎとめている髪留めのリングは完全にその光を失っていた。 「あ、あなたは……」 既に生気を失った唇で、女は言葉を搾り出した。 「あの子の……ためにもあなたは、……生きていなくちゃ……」 「馬鹿っ! 何がぁ……なんだこれ! 変だ……っ。おい、頼むっ」 泣き叫ぶように女を呼び止める少年に、女は歯を食いしばって顔を近づけた。少年の耳に口を寄せ、 「……」 か細い声で最期の言葉を残した。その言葉に、少年ははっとして手の力を一瞬緩める。 次の瞬間、石橋を掴んでいた女の腕が外れ、女の全身は濁流の中へと瞬く間に消え失せた。少女は弾かれたように女のリングを掴もうと水中に手を伸ばす。だが流れにもまれるリングに届く前に、彼女の腕は水の中に解けていった。 「馬鹿、よせ……!」 少年の体を男が無理矢理石橋から引き剥がす。茫然自失の少年を抱えて木立の中へと転げ込んだ。 男も少し濡れたが、少年は全身の各所が欠損し、更に片腕を肩の近くから失っていた。しかし大急ぎで体を拭き始めた男とは違い、少年はその心を失ったかのようにその場に固まっていた。 女のリングは水流に煽られて何度か水底で弾んだ後、水路の角を曲がって見えなくなっていった。 ●●○○ その少女は一人の土人形が水路の中に消えていくのをただ黙って見ていた。少女は背が低く痩せている。袖のない白い服を着、黒い布で首と肩をすっぽりと覆っていた。大きな瞳は深く澄んだ青色だったが、そこに彼女の感情の片鱗が覗くことはない。 その日の庭園の日暮れは静寂に満たされていた。 水路から離れた屋根の下で少女は少年の治療をしていた。盛り土の下で手を動かしながら、目の前に座る少年の顔をちらりと覗き見る。 「うっ……っ……」 少年は、嗚咽とも慟哭とも取れる奇妙な声を繰り返し出していた。気が動転しているというよりは、既に興奮は治まった上で事実の重さに耐えかねてそれを拒んでいるかのようだった。 そのうち彼の声が途絶える。少女は手を止め、少年の顔を再び窺った。 彼はぼんやりと地面を見、呆けたように口を半分開けて動かなかった。酷く疲れたか、あるいは魂が抜けてしまったかのようだった。少女が治療している彼の右腕以外にも多くの箇所を少年は失っていた。水面に近づきすぎたらしく、その頬や首筋も所々水に削り取られている。 そのうち不意に少年の目に光が戻った。はっとして彼は少女の顔を見る。 「あ、あぁ……え……」 彼は始め朦朧としている様子で戸惑いを見せたが、徐々にはっきりと意識を取り戻していき、その顔にやりきれないといった表情が浮かぶ。俯き、肩が小さく震えている。 少女は土の中から治療し終えた少年の腕を持ち上げた。少年は何も言わず黙って腕を引っ込める。間を空けず少女の手が少年の崩れた頬に伸びる。 「やっ、ああっ……」 少女の手が頬に触れたとき、少年はびくっと肩を震わせて変な声を出したが、 「あ……ごめん、その、何か……」 とすぐさま謝った。少女は少しの間少年の様子を窺っていたが、やがて少年を草地の上に横たわらせると彼の顔など細かな欠損部位の治療を始めた。少年は黙って少女の顔を見上げている。意識はあるようだったが、その顔にどこか警戒の色を浮かべていた。 『ここが私の部屋です』 閑寂な小部屋に、白衣を身に纏った男が一人立っていた。丸眼鏡を掛け、所々に染みのついた白衣を身に纏い、若い科学者といった風体をしている。 『すみません、あなたが寝る場所はまだ用意してないんです』 穏やかな微笑を浮かべながら、申し訳なさそうに科学者はそう言った。落ち着いた優しい話し方だった。 部屋は科学者の言うように散らかっていたが、埃は見当たらず、全体的に汚くは無かった。背の高い本棚に並ぶ分厚い本はきれいに整頓されていた。一冊一冊が丁寧に管理されているためか綻びが少なく、また装丁の新しいものも多く見受けられる。 科学者は窓際の木でできた丈夫そうな机の上に手を置いた。 『私はいつも、ここで寝ているんです。机の上で、本を枕にしています。夜は寒いから、庭のほうには出れません。あ、窓も閉めたほうがいいです』 そう言って部屋に一つしかない窓を閉めた。 科学者は、あ、そうです、と何かを思い出したように顔を上げる。白衣のポケットを探り、菱形をした青銅色の鍵を取り出した。 『私、ちょっと庭の鍵をかけてきます。こんなところですけど、たまに来る人いるんですね。たまに、ですけど』 半開きの窓から差し込む月の光が、机に突っ伏して寝息を立てている少女の顔を仄かに照らしている。夜風が窓から入り、彼女の金色の髪を揺らした。 少女はうっすらと目を開けた。枕代わりにしていた本から顔を上げる。椅子から腰を上げ、手を伸ばして窓を閉めた。古くなって曇った窓のガラスが外光を幾分か遮る。 椅子を引いて立ち上がり、目を擦った。本棚から落ちた古い本が散らばる床を、足の踏み場を巧みに見極めながら通り抜ける。 部屋から出ると滝の冷たい音が聞こえてくる。その後ろから人の話し声が聞こえ、少女は足を止めた。 「……お前も見ただろ。あの女、水を被るたびにリングの光が弱くなっていってた」 屋根の下に二つの光点が見えた。土人形たちのリングだった。二つといっても、片方の光はもう片方に比べて光がいくらか弱かった。 「ああ、まぁ……そうだったな」 「このリングは多分、俺たちそのものっていうか、俺たちを動かしている元なんだろうな。有限の。しかも体が溶けるたびに、その寿命が減っていてるっつーな」 「……ああ……」 少年の声には元気がない。それは単純に眠気からくるものというよりは、激しく運動した後の虚脱感に近いものだった。 「あの部屋調べて分かったのはそんくらいだ。あとはどれだけ探しても分からん。っていうかそもそも字が読めないしねー」 「後? 分からないって、何がだ?」 「何がって、色々だろそんなの。何であいつが俺たちを作ったのかとかよー。そもそもあいつは何者なんだってのもあるし。……こっから出る方法だって」 男は心なしか声を落とした。 「え? あの扉開ければいいんじゃないのか」 「どうやってだよ」 「さぁ」 男の、やれやれといったため息が闇の中から伝わってくる。 「……とにかく、お前はもう無茶するな。今でも十分ぎりぎりなんだろ。次に水に触りでもしたら、どうなっても知らないからな」 「あ、ああ……。心配してくれてありがとうな。お前、不思議といい奴だな」 少年は少しだけ嬉しそうに言った。その殊勝な様子に男は一瞬言葉を失った後、 「……何か変だぞ、お前。リングが弱まってるからか」 と気味悪がっている。少年は小さく笑った。 「かもな。あぁ、何だか落ち着いた。はは」 それから二人は二言三言挨拶のような言葉を交わすと、それきり互いに黙り込んだ。 少女は少しの間その場に立ってじっと二つの光点を眺めていたが、やがて足音を立てずに部屋へと戻っていった。 夜が更けるに従って空の星が少しずつ雲に隠れ始める。やがて月が隠れ、庭園は本当の闇に包まれた。 その日は朝から空に暗色の雲が立ち込めており、庭園の風景はどこか精彩を欠いていた。 少女は庭園の隅に一人ぽつんと座っている。何もせず、ただ流れる水路の水の音を聞いている。 少年は動くのが億劫なようで、石柱を背にしてずっと座り込んでいた。男は相変わらず庭園を歩き回っていたが、時折少年の下へとやってきては彼と何か言葉を交わしていた。基本的にあまり動けない少年に男が付き合ってやっているといった形のようで、男はしばしば面倒そうな表情を浮かべることもあったが、少年は楽しそうに笑っていた。 少女はその二人を遠くから眺めていた。男は少女のそばへは近寄って来なかった。少女の周りには変化が全く起きない。陽の光が乏しいためおおよその時刻も分からず、長く怠慢な時間が過ぎていく。 男が少年から離れているとき、少女は立ち上がってゆっくりと少年に近づいていった。足音で少女に気づき、少年は目を開ける。 二人の視線が交差する。 「あ……」 少年は小さな声を出して、少女から目を逸らした。少女は少年から数歩離れたところで立ち止まり、無言で彼を見下ろしている。 「……何か、用か? あの……」 少年の問いかけに少女は反応しない。少年はやりにくそうに俯く。 「何か、……何なんだ? 一体……」 少年はただ困惑するばかりで、少女から少しずつ身を引いていた。 少女は結局何もせず、踵を返してその場を後にした。少年は黙って彼女を見送っている。 水路の橋を渡ったところで、少女はふと顔を上げて立ち止まった。庭園に、男の姿が無かった。階段を登って高いところから見回してみるも、どこにも男は見当たらない。 少女は早足で滝の裏の部屋へと向かった。通路を歩く足音を忍ばせ、部屋の中をそっと覗き込む。 男はその部屋にいた。彼は少女に背を向けて机の前に立っている。少女の存在には気づいていないらしく、窓際の机を調べている様子だった。 男は机の引き出しの一つに手をかけるが、そこは堅くて開かなかった。他の場所も順次試してみるが、文字で埋め尽くされた紙束や筆記具などが殆どで特にめぼしいものは見つからない。だが一番端にあった小さな引き出しを開けたところで男の手が止まった。 「こりゃぁ……もしかして」 その中には小さな木箱が入っていた。手に取り開けようとしてみるが蓋は堅くて開かない。古くて開かなくなっているということではなさそうだったが、一見して箱の外側には錠のようなものはかかっていない。 男は首を傾げるも、その木箱を何気なくポケットに収めた。机の調査をそこで打ち切るつもりで振り返り、そこで初めて少女の存在に気づきびくりと肩を震わせる。 「うっ……おっ、驚かせるなよ……」 少女はその場を動かない。棒のように立ったまま男に感情のない視線を送っている。男はその視線に耐え切れなくなったように、 「あーもう分かったよ。悪かった俺がー」 と両手を挙げて見せた。さりげなく机の引き出しを元に戻し、部屋へ入ってきた少女と擦れ違う。 「これが最後だよ、俺が調べるのも。もう手出さねーから安心しろ」 おざなりにそう言い残し、男は部屋を立ち去ろうとした。 少女は机の一番端の引き出しを開けて、その中を確かめた。木箱がなくなっているのを見る。 科学者は言う。 『その、それは駄目です、いけません』 狭い部屋に詰め込むようにして入ってきた男たちの前で、科学者は困り顔を浮かべながらも必死に説明する。 『いわゆる土人形は外の世界に出してはいけないと思うんです。私の研究は、もしかしたらとてもよくないことなのかもしれないです。ここ、この部屋と外の庭園』 科学者は手で机を軽く叩き、次に入り口のほうを指差した。 『この閉ざされた中でなら、問題ないと思ったんです。人間が、私たちが人間に限りなく近い何かを作ることができて、それが広がっていったら、皆さんのおっしゃるようなこと以外、よくないことにだってどんどん使われるでしょう』 男たちはしかし科学者の言葉に異を唱え、やや声を荒げつつ彼を説得した。 科学者は反論しながら、そっと彼のそばに立つ一人の少女の肩に触れた。彼女を男たちの目から遠ざけるように自らの体の陰に隠した。少女は科学者と男たちとのやりとりを黙って見上げている。 『とにかく……私から許可することはできません、土人形を外の世界に出してはいけません』 科学者は何度もその言葉を繰り返した。 「うおっ!?」 突然の衝撃に男はよろめいた。部屋を出ようとした男に、何の前触れも無く少女が体当たりをしてきたのだ。 「なっ、何すんだぁっ!」 男は体勢を崩しながら部屋の外へ押し出される。少女はその小さな体で必死に男にしがみつき、そのポケットに手を伸ばす。その中にある木箱を取り戻そうとしているようだった。 ふらついた男は滝の水で濡れていた床に足を滑らせる。そこは丁度通路の出口であり、すぐ横には流れ落ちる滝があった。 「やべっ……!!」 支えを求めた彼の手は空を掴む。一瞬彼と少女の目が合い、彼女の見ている前で男は滝の中に姿を消した。飛沫が上がり、少女は咄嗟にその場を離れる。僅かな間の後、鈍い音が下のほうから聞こえてきた。 弾かれたように少女は走り出し、階段を駆け下りると滝つぼへと向かった。男は滝の水の外に投げ出されて倒れていた。その体が滝つぼへ入らなかったことは幸運だったが、頭から水を被ったため体中至るところが溶けている。 少女は彼の体を見ていくうちにはっと目を見開いた。新たに水を被っているわけではないのにもかかわらず、彼の体は見る見るうちに土へと還っていく。見ると、男の左腕が落下の衝撃で根元から折れ、リングと共に彼の体から離れたところに転がっている。その左腕は正常な形を保っていた。少女は飛びつくようにしてそれを拾い、男の左腕のあった場所に強引に繋ぎ留める。 「ぐ……は……」 男の、元は口だったところから呻き声のような音が聞こえてきた。 左腕とリングが離れないよう周囲の湿った土で支えると、少女は庭園の乾いた土を手でかき集めてきて男の左腕の治療に取り掛かった。腕の付け根を乾いた土で覆ってしまうと男の体の崩壊は止まったが、そのとき既に彼の体は元の形からひどく遠ざかっていた。 「なぁっ、ど、どうしたんだおいっ!」 重い体を動かして少年が駆けつけた。地面に横たわる体中がどろどろになった男とそれをせっせと治している少女が目に入り、あまりの惨状に言葉を失う。 「俺……だ……」 男が今にも息絶えそうな声で言った。 「うっかりしてて……滝……落ちちまった」 「う、うっかりじゃないだろ、馬鹿か! こん、こんな……」 少年は地面にへたり込む。彼もまた体調が悪く、長い時間立っていられないようだった。頭から水を被った男だったが、その右目はどうにか生き残っていた。その目で少年を見、彼がもう意識を手放していることに気づく。 「やれやれ……あ」 何度か庭園から乾いた土を運んできていた少女が、男の首から上を乾いた土で埋め始めた。男の口が土に埋められる。男は多少の不快感を右目に込めたが、そのとき土を盛る少女の手が小さく震えていることに気づいた。目線を上げ、少女の顔を窺い見る。無表情なのは相変わらずだったが、どこか視線が揺れている。 男の治療が終わったのはとうに日が暮れた後だった。 土の下から出てきた男は感覚がはっきりしないのかしきりに頭を振っていた。白い髪の毛からぱらぱらと土片が零れ落ちた。 彼のリングの光は、既に少年と同じくらいかそれよりも弱く感じられるほどになっていた。男は無言でそのリングを見やると、少女に短く礼を言ってその場を立ち去った。男は平然を装っていたが、その歩みには僅かにふらつきが見られた。 少女は一人で部屋に戻った。その晩は月に薄雲がかかっており、闇に薄ぼんやりと浮かび上がる窓を除いては殆ど何も見えなかった。少女は窓際の机の椅子を引き、とさっと崩れ込むようにそこに腰を落とした。全身の力を抜いて机に突っ伏し、肩を抱いて小さく縮こまる。 彼女の眼の前に、先ほど男から取り返した木箱が置いてあった。そっと手を伸ばしてそれを手に取り引き寄せる。その箱には細工がしてあり、そうと知らない者には開けないような仕掛けで蓋を閉ざしていた。少女はぎこちない手つきで錠を外し、蓋を開けて中から一本の鍵を取り出す。窓の前にそれを翳して形を眺める。古そうな青銅色をした菱形の鍵だった。ぽとりとそれを机の上に落とす。真暗な部屋に金属の転がる高い音が響いた。 机に置いた腕の間に顔を埋め、彼女は動かなくなった。 空はかき曇り、少しずつ夜光は失われていく。夜更けに小雨が通り過ぎたが、庭園にいる者は皆寝入っており誰一人としてそれに気付かなかった。 部屋に駆け込んできた少年の切羽詰った声で少女は目を覚ました。 「たったた大変だ、おい! きっ、あの男が……来れっ、来てくれ!!」 まだ立ち上がってもない少女の腕を少年はしきりに引っ張る。少女は体の陰でさっと鍵を木箱にしまうと、少年について部屋を駆け出た。 庭園に出ても男は見当たらなかった。庭園の全てが見渡せる階段の上に立っても、男の姿は確認できない。しかし少年は大声で男を呼んだ。 「おーい! 何やってんだ馬鹿! 降りて来い……し、死んじゃうぞ、こら!」 少年は、上へ向かってそう叫んでいた。少女ははっと気がついて少年の視線を追い、そして男を見つける。 男は垂直に切り立った庭園の壁の中腹辺りで、柱を支える装飾的な凹凸にしがみついていた。そこから下の二人が見ている前で壁を這う蔦に飛び移り、それをよじ登っていく。見ている少年が小さく悲鳴を上げた。 「や……やめろって! 無茶だって! 聞けおい!」 少年の声に耳を貸さず、男は少しずつ壁を登っていく。少女は男の現在地から彼が登ってきた道を確認した。庭園の中で最も複雑な構造をしている階段付近の壁の蔦が一部千切れている。振り仰いで男の進む先を見ると、壁の凹凸と柱を交互に登っていけば確かに壁の最上部まで辿り着くことはできそうだった。そこは天井が無く、乗り越えれば庭園から抜け出すことができる。 だが男の息は今や完全に上がっているようだった。明らかに疲労で動きが鈍っている。壁の溝を度々掴み損ね、その度に少年がひっと悲鳴を上げた。 どうにかこうにか壁の広い窪みまで到達し、男はそこに腰を下ろした。頂上まではまだ半分ほど距離が残っている。男は先を見上げて苦い顔をして唸った。下を見、彼を止めようと喚く少年に声をかける。 「もう戻れねーよ。ここまで来たら登るしかねー。分かったら静かにしててくれ、気が散るんだ、まったく」 「阿呆かっ、無理だ、もう……くたくたじゃないか、君は!」 男はため息をついて苦笑いを浮かべる。 「……んなこたー分かってるよ。っ……」 急に眩暈がしたらしく、男の体はふらっと傾いた。すぐに我に返りずり落ちそうになるところを柱にしがみついて堪える。 それを見ていた少年がびくりと飛び跳ねた。 「うぉっ……ほ、ほら! 落ちるぞ、絶対!」 「うるせー。仕方ねーだろ、今行かなかったらなー、俺はどうせ……」 男はちらっと自分の左腕のリングを見た。事故の前と比べて遥かに光量を失ったそれは、既に光の下ではただの金属の輪と変らなく見える。 「もう時間ねーんだ。頼むからほっとけ、俺のことは」 「ばっ……」 男は腰を上げてまた蔦に捕まり、少年は言いかけた言葉を飲み込む。男はもう下を見ることなく僅かな凹凸を繋ぎながら上を目指した。だがその動きはひどく鈍い。 男にかける言葉が尽きたらしく、少年は救いを求めるような目で少女を見た。少女は少年からも男からも目を逸らした。行き場を失った彼女の視線が何気なく庭園の石畳の上を横切ったとき、その石の上にぽつっと小さな黒い染みが生じた。 少女は空を見上げた。少年も異変に気づいて固まる。暗く沈んだ灰色の雲から、ぽつりと少年の目の前に雨粒が落ちてきた。それは徐々に数を増し、大粒の雨が庭園に降り注ぐ。 少女はさっと少年の手を掴んで彼女の体を引っ張った。彼女は屋根の下へ行こうとしているようだった。だが少年はそれに抗い、少女の手を振り解く。少女はよろめいたが、少年がその場を動く気がないと分かると一人で屋根の下へと走っていった。雨の中に、壁を登る男と一人の少年が残される。 「なっ、何だこれぇ……っ!」 泣きそうな声で少年は叫んだ。 「見ろ、おい! 雨だぞ雨! 本当に死ぬぞ!」 だが男は逆に怒鳴り返す。 「分かったからお前は離れろ! ここから降りられると思うか、あー? 水はお前のほうがやべーだろうが!」 「嫌だ、できるか! 頼む……戻ってこい! わ、私の前からいなくなるな!」 「……くそっ」 男は力を振り絞って登る速度を上げた。だが雨で徐々に皮膚が溶け、蔦を握る手が滑り始める。 雨はいよいよ勢いを増し、その下に体を晒す男と少年を容赦なく襲った。一人屋根の下からその様子を眺める少女は、雨と水を避けて少しずつ奥のほうへと下がっていった。 そのとき、庭園のほうでどさっと音がした。少女は顔を上げる。雨の下に少年が倒れていた。既に意識がないらしく、ぴくりとも動かない。 少女は彼の元へ駆け寄ろうとした。が、その手に雨粒が落ちた途端反射的にその手を引っ込める。屋根の下へ引き戻した彼女の手は、水に濡れたところが土になって溶けていた。少女は服で溶けた部分を拭う。白い服が泥で汚れた。拭った手は雨に濡れた箇所だけ窪んでいる。 少女はそろそろと後退りした。屋根のない庭園では、雨が容赦なく少年と男の上に降り注いでいた。少年の服の合間から泥水が流れ出ていく。その姿も、次第に濃くなる雨で霞んでいく。 「おい!!」 激しい雨音に紛れて、男の声が聞こえた。壁を見上げると、雨に耐えて柱にしがみついている男の姿があった。雨に降られているというのに彼は少しずつ柱を登っていく。 「早くそいつを屋根の下に入れろ! 死んじまうだろうが!!」 頂上へ近づきつつある彼の姿はもうあまり見えなかったが、その声は少女の元まで届いていた。少女はしかし自分からは雨の中へ入れず、その場で足踏みをする。 続けて男が叫ぶ。 「何やってる! 何のために俺たちを作ったのか知らねーが、このまま見殺しにする気かよ! なら最初から作んな、ずっと一人でいろってんだ、くそがぁ……!」 男の叱咤に背を押されたのか、少女は走り出した。雨の中へではなく、屋根の下へと走る。その奥には女が浸水したとき治療に使った土嚢の袋がまだいくつか残っていた。その大きな袋を少女は頭から被り、そして庭園へと突っ込んでいく。雨が袋を打ったが、元々乾いた土を保存するための袋は外部からの水を遮断した。それでも彼女の裸足は雨水から守れず、細い足首が徐々に水に削られていく。 少女は少年の下へと辿り着いた。少年は水が溢れる庭園の石畳の上に力なく横たわっていた。持ってきていたもう一つの袋を彼に被せ、両腕で抱きかかえて引きずる。泥で抱える手が滑ったが、少女は必死になって彼を屋根の下へと引っ張っていった。 男はもう下を見なかった。少女が動く気配が感じられたが、庭園の状況を確認する余裕はもう彼には残されていなかった。 次の蔦へ伸ばした手が泥で滑り、上手く掴めない。ともすれば意識を失いそうになるのを歯を食いしばって堪える。上を見れば雨が顔を打ったが、それでも頂上はもう目前に迫っていた。逸る気持ちから壁の窪みにかけていた足を踏み外してしまう。体が一瞬壁を離れ、白い髪がふわりと浮かぶ。次の瞬間重力が彼の全身を鷲掴みにした。 「ぐぉっ……あ……!」 辛うじて片手で掴んだ草に、彼の体は支えられた。荒い息を抑え、再び上を目指す。 柱と柱を繋ぐ石材の上は休憩できそうだったが、男はその横を通り過ぎる。既に体はかなりの部分が溶けてしまっている。左腕のリングはもう殆ど光を発していない。 最後の縁にようやく手がかかった。男は腹から低い声を出して全身を引き上げる。その壁の縁より上にはもう何もない。両腕で縁にしがみついて乗り上げる。その、彼の体の幅ほどしかない頂上に、男はどかっと座り込んだ。俯く彼の背に雨が降り注ぐ。男は肩で息をしながら、 「できるじゃねーか……。……もっと、早いうちに……挑戦するんだったよ……。……まったく……」 と呟いた。その声は聞き取れないほど低くなっていた。 既にどろどろになった顔を上げ、彼が辿り着いた場所からの景色をその目に入れた。無意識に、感嘆とも悲嘆ともとれる呻き声を上げる。 彼の眼前には果てしない大地が広がっていた。森は少なく、岩山や砂地が大部分を占める物悲しい景色だった。彼らがいた庭園は塔のような建物の頂上に位置し、大きな陸橋によって雨に霞む山岳へと繋がっている。 その山岳の山際に、幾筋もの黒煙が立ち昇っている。山の仄暗い麓では、揺らめく炎の灯りが裾野を横切って燻っていた。降り続く雨の水煙が、その大火を山と空の狭間に滲ませている。 「何……だよ……。え……」 男の唇の端から、ふっと小さな笑いが漏れた。彼のリングの光は完全に消えていた。 雨は激しさを増し、風が彼の体に吹き付けた。彼の体はゆっくりと傾き、やがて庭園の外の奈落へと男は消えていった。 ●●●○ そこは永い静寂に包まれた、小さな部屋だった。雑然と物が散らかったその部屋に、一人の科学者がいた。 科学者は、広い机の上に横たわる少女を椅子に座ってじっと見守っていた。袖を捲った彼の白衣は土で汚れている。やや目からずれた丸眼鏡はあまり良質のものではなかったが、そのレンズの奥にある瞳は穏やかで優しい。何かに対する期待と僅かな不安のこもった視線を、科学者は少女に向けていた。 やがて、少女の瞼がぴくりと震えた。仰向けになったまま彼女は微かに身動きをとる。ややもせずその大きな目を開いた。金色の前髪の下から、空に溶けて滲んだような青い色の瞳が、ぼんやりと天井を見上げた。 科学者は椅子に座ったまま、そっと彼女に声をかける。 「目が……えっと、目が覚めましたか? あ、おはようございます」 少女は横になったまま科学者のほうを向いた。彼女と目が合い、科学者の身に一瞬緊張が走る。 「あの、初めまして。気分はどうですか? えーと……」 少女はきょとんとした顔をしていた。科学者の言った意味を理解しているのかどうかどうか、その顔からは窺い知れない。科学者は反応が無いのを見て、ええと、と頭を掻きながら言葉を探した。 少女はゆっくりと机の上に起き上がった。彼女の体から土片がぱらぱらと机の上に零れ落ちる。 「あ、起き上がって大丈夫でしたか? どこか上手く動かないところとか……」 科学者は心配そうに問うが、少女は首を振った。言葉は通じているようだった。科学者はほっと胸を撫で下ろし、改めて少女に向き直った。 小柄な少女だった。袖のない無地の真っ白なワンピースを身に纏い、その上から肩と首を隠す黒い布を羽織っている。肌の色も服に負けないほどに白く透き通っていた。 少女は黙って視線を落とした。自分の体を確認するように、両手両足を眺める。その仕草を見て科学者の顔が自然と綻ぶ。 「私はここで土人形の研究をやっている科学者なんですね。一人ですけど……。これから、よろしくお願いします」 少女は返事をせず、黙ってじっと科学者の顔を見つめていた。科学者は、あれ、と中指で眼鏡を押し上げた。全く意思が通じていないわけではないようなのだが、少女からは言葉や表情といった彼女の意思が一切返って来ない。 本のページを捲る音が夜の小部屋に響いていた。窓際の机に腰掛け、琺瑯の燭皿の下で科学者は分厚い文献を紐解いている。 科学者はページを捲る手を休め、口に手を当てて考える仕草をする。 「……何でだ……? リングは最高純度のはずなのに……。やはり人形には……」 ことり、と小さな音がした。科学者は顔を上げて振り向く。 机の上で寝ていた少女が起き上がり、床に降り立った音だった。彼女は眠そうな目を擦りながら、てくてくと科学者に近づく。 「あ、起こしてしまいましたか……。ごめんなさい、もう寝ないとですよね」 科学者は眼鏡を外した。疲れた目元を指で揉む。 少女はそんな科学者の顔をぼんやりと見上げていたが、ふと彼が読んでいるものを覗き込もうとした。だが背の高さが足りず、爪先立ちしてふらふらとよろめく。 科学者は小さく笑って、近くにあった小さな椅子を引き寄せて少女をその上に座らせた。本を開き、彼女に見せる。 「これは本です、ここにあるのは全部、土人形を作るために私が集めた資料なんです。……あ、字は読めませんよね……これから少しずつ覚えていきましょう。ね?」 少女はこくりと頷いた。科学者も頷き返す。 と、少女は机の上にある別のものに視線を移した。彼女が目を留めたのは、科学者の机の上に飾られた写真立てだった。それほど古いものではなく、枠の中には四人の人物が写った写真が収められている。中心に立っているのは白髪の男で、その両横に髪の長い女と科学者、そして三人の前には少年が立っている。 「ん、あぁ……それはですね」 少女の視線に気付いた科学者は、写真立てを手にとって少女の前へと持ってきた。 「私の研究仲間と、友人たちなんですね。家族みたいに映ってますけど家族じゃないですよ。でも、気の良い方々でした。まぁ……みんな、戦争で亡くなってしまったんですけど」 科学者は懐かしそうに写真を眺める。 少女はそんな科学者の顔を無言で見上げていた。写真に視線を戻し、そこに写る人々をまじまじと見る。 晴れた日の庭園は陽の光をよく受け、その緑と水を眩しく輝かせる。庭園に足を踏み出した少女の耳元を冷たい風が通り過ぎる。 庭園には様々なものがあったが、彼女は多くには興味を示さなかった。草地の上に座ったり石柱に凭れかかったりしては空を見上げ、流れる雲を飽きることなく目で追い続ける。今は石橋近くの倒木に背を預けて座っていた。 科学者はそんな彼女を、少し離れた木立の下から見ていた。膝の上に頬杖をつき、晴れない顔をしている。 風が吹いて、科学者の目の前に数枚の木の葉が舞い落ちた。彼はふと思い出したように、 「あのっ……」 と少女へ呼びかけた。少女はゆっくりと科学者のほうを向いた。科学者は彼女に見つめられてやや戸惑いを見せる。彼は特に用も無く少女の名を呼んだらしく、慌てて言い繕う。 「あ……あの、水には気をつけてって、いつも言ってますけど……。雨が降りそうになったら、すぐ屋根の下か、それか部屋に戻ってきてくださいね」 少女は小さく頷くと、また空へと視線を戻した。科学者はそっとため息をつく。 と、突然少女の体がふらっと揺らいだかと思うと、彼女は土の上に倒れこんだ。とさっという軽い音がして、彼女はそのまま動かなくなる。科学者は顔色を豹変させた。立ち上がり、何もないところに蹴躓きながら彼女の元へと向かう。 「だっ、どうしたんですかっ?」 彼が駆けつけても少女は起き上がらなかった。科学者は彼女を揺り起こそうと手を伸ばしたが、直前で何かに気づいてその手を止める。柔らかな土の上に横になった彼女は、小さな寝息を立てていた。口を少しだけ開け、安らかな顔ですやすやと寝入っている。 科学者は気が抜けたように肩を落とした。風で少女の顔にかかった彼女の前髪をそっと退けてやる。彼女から少し離れた場所に腰を下ろして、彼女がそうしていたように空を見上げた。陽の光を受けて輝く雲はゆっくりと北へ流れている。科学者は眩しそうに目を細めた。 そのとき突然、どこかから堅い連続音が聞こえた。科学者ははっとして立ち上がる。それは複数の馬の蹄の音だった。誰かが庭園へと近づいてきているようだった。それは庭園のすぐ外で止まり、扉の外で誰かが声を張り上げる。 科学者は渋い顔で扉を真っ直ぐに見つめると、白衣のポケットから鍵を取り出して扉へと向かった。 科学者の部屋にはいつになく多くの人間が入っていた。宗教的な装飾の目立つ武具を備えた神官たちが、科学者に威圧を与えるかのように部屋の戸口に三人ほど立っている。 「研究の成果を伺いに参りました」 神官の一人が低い声でそう言った。 「何度……何度来られても、私の返事は変らないです」 科学者ははっきりとそう言った。少女は科学者の背に隠れ、事の成り行きを無表情で見守っている。 「戦況が芳しくないこともよく分かっています、でも」 科学者は一時言い淀み目線を横に流した。少女がその透明な眼で彼を見上げている。棒のように佇む彼女を、科学者はその背に隠した。 「私はそんな、兵隊にするためにこの子……兵隊を作るためにこの研究を始めたのではないんです、どうか分かってもらえませんか。第一、土人形は姿かたちは自由に決められても、量産はできないんですよ。あの希少金属は、あれは純度を下げても、あとリング三つ分くらいしか残ってないです」 「しかしそれで救われる者がいるのです」 しかし神官たちは引き下がらなかった。科学者以上に熱を込めてその主張を口にする。その要求を、額に汗を滲ませながら科学者は繰り返し拒んだ。その口ぶりにも次第に熱が篭っていく。 「駄目です駄目です、あなたたちが言っていることはこういうことです、誰か、自分以外の誰かが犠牲になるべき、し、……え、何ですか……。……いいえ、土人形なら、だから尚更いけません、死なせるために生み出すなんて、そんな勝手が許されますか!」 「忘れないで頂きたい」 言葉に熱が篭る科学者とは対照的に、神官の声は平板で抑揚がない。 「あなたが兵役を逃れているのはその研究が認められているからです。それが非常に有益であると」 科学者はうっと押し黙った。 「少し……考えさせてください。今日のところはこれで、これで帰ってください。すぐに返事は用意します、必ず用意します。ですから……」 嘆願するようにそう言う科学者の顔はひどく暗い。少女の目の高さにある科学者の右手は、震えるほど強く握りしめられていた。 普段少女が寝台代わりにしている机の上に、その晩は様々な研究書が並べられていた。ランプを天井から吊るし、その明かりの下で科学者はページが開かれた本の山の前に立っていた。複数の書物を同時に参照しながら、時折本棚へ駆け寄っては大量に机の上の本と別の本を入れ替える。本棚の一番上の段からも何冊か取り出したせいで、部屋には埃が舞いランプの明かりが曇った。 机の上に開いて並べられた本は、どれも紙の古いものだった。科学者はそれらにじっくりと目を通しつつ、何か考えついては壁に貼り付けてある紙に書き留めていった。 「……できるのかな……私に……」 少し興奮気味の科学者の口から、吐息のような呟きが零れた。彼の額には汗が滲んでいる。 彼のすぐ隣で、少女は科学者がいつもそうしているように窓際の机に突っ伏して眠っていた。背の低い彼女は椅子に座ると足が床に届かず浮いていたが、彼女はその格好で熟睡しているようだった。顔のすぐ近くにある窓は、少しだけ開いていた。冷たい夜の空気がそこから部屋に流れ込み、少女の髪が夜風に靡いている。 本の山から顔を上げ、額の汗を拭って一息ついた科学者は、何気なく少女に目をやって開いている窓に気づいた。気配を忍ばせて近寄り、窓をそっと押した。小さな音を立てて窓は閉まり、夜気が遠ざかる。科学者は、ふう、と肩の力を抜き、椅子の上で眠る少女を見下ろした。 すやすやと微かな寝息を立てて眠る少女の横顔をじっと見つめる。少女のあどけない寝顔は、科学者の気を少しずつ落ち着かせた。彼女の頭を撫でようと手を伸ばすが、思いとどまってやめる。大量の自筆の書留が貼り付けてある壁にもたれかかり、深い息を吐く。 「もう……」 背を離し、再び本の山の前へと向かった。 「逃げてばかりでは……」 決意に満ちた眼差しで、彼は本のページを捲り始めた。 開かれた庭園の門の前に科学者が立っている。白衣を脱ぎ、旅装束に身を包んだ彼は、不思議そうに彼を見つめる少女を見下ろして少しだけ上ずった声で言う。 「……それじゃぁ少し、出かけてきます。帰りはちょっと分からないです、……遅くなるかもしれません」 科学者の説明を聞いても彼を見上げる少女はぽかんとした顔をしていた。科学者は苦笑を浮かべると、そっと少女の頭を撫でようと手を伸ばす。が、彼女の髪に触れる寸前で手を止め、腕を下ろした。 「……一つ、お願いしてもいいですか」 科学者の言葉に少女は素直にこくりと頷いた。科学者はしかしどこか浮かない顔で切り出す。 「私がいない間、ここの留守を預かっておいて貰えないでしょうか。いえ、できるだけ早く帰ってきます、頑張ります」 科学者は懐から小さな木箱を取り出した。その仕掛けを少女の前で外して見せ、中から一本の鍵を取り出す。 「この庭園は、外からは開かないです。そして鍵はこれだけなんですね。これを、あなたに渡します」 少女の小さな手にその木箱を握らせる。 「私以外の誰かが来ても、絶対に開けないでください、きっとあなたを連れ去るはずです。……でも、もしあなたが外に出たかったら……出ていいです。私が帰って……帰りが遅かったら、もし嫌だったらここは捨ててください。自由です、あなたの。但し人に見つからないよう、気をつけてくださいね。人に知られてはいけません」 科学者は繰り返し念を押した。目の前の少女のことを心から案じている様子だった。当の少女は何も考えていないような顔でまた頷く。 それを見て、科学者はどこか寂しげに小さな声で呟く。 「……すみません、本当に身勝手な、身勝手な親で……」 それから彼は思い出したように、また懐から何かを取り出して少女に渡した。少女は、見慣れないそれを手のひらの上に載せてしげしげと観察する。 それは金属でできた三つのリングだった。一見してどれもこれといった装飾もないただの光沢のある輪だが、暖かな光を発している。 「リングです、土人形の動力源です。……実は作っていたんですね。あの方々の言うような目的のために、って考えたりもして」 科学者は人差し指で頬を掻く。 「改良してあるのであなたとは少し違っているかもしれないです。ただ少し純度を落としてあるので、もしかしたら寿命が短いとか、あなたに比べてよくないところもあるかもしれません。……これは、あなたに託します。もし……もし退屈だとか、一人が寂しかったりしたら、それで……それで友達を作ってください」 少女はそれぞれのリングを手にとって調べている。 「あの……やり方、覚えてますよね?」 科学者は心配そうに少女の顔を覗き込んでそう尋ねたが、少女は彼の目を見つめ返して力強く頷いた。 「はい、よかったです。それじゃぁ、そろそろ行かないと」 科学者は庭園の入り口の縁に手をかけ、外に一歩足を踏み出してから振り返った。精一杯の笑顔を浮かべ、別れの言葉を継げる。 「行ってきます。きっと……きっと帰ってきます。もしよかったら……また会えると嬉しいです」 科学者が門の向こうへ出て行くと、扉がゆっくりと閉まり始めた。少女は澄ました顔のまま、扉に隠れていく科学者の背を見送っていた。 閉ざされた庭園には少女がただ一人だけいた。 昼のうちは日の当たるところで空を見上げて過ごした。 雨が降りそうになると屋根の下か部屋の中に入った。 夜は部屋の窓を閉め、机に突っ伏して眠った。 そうして長い時間が過ぎていく。科学者は何時になっても帰って来ず、庭園を訪れる者もまたいなかった。少女は一人で寝ては起き、何もせずに暮らし続けた。 鍵の入った木箱と一緒に、ずっと机の引き出しに閉まっていた三つのリングが彼女の目に再び留まったのは、彼女が朝起きたときはっきり覚醒しないうちに偶然足で引き出しを押し開けたときだった。 暗い屋根の下で、少女は横たわる少年の体を黙って治療している。 既に雨は上がり、日が傾いて夜が近づいてきている。少女は部屋からランプを庭園に持ってくると、それに火をつけて少年の体を照らした。やがてランプの明かりを除いて辺りが真っ暗になっても、少女は休むことなく作業を続けた。 著しく人間の形状から遠ざかっていた少年が再び意識を取り戻したのは、次の日の朝日が昇った後だった。 ぼんやりと目を開けた少年は、ゆっくりと首を動かして傍らにぺたんと座っている少女の顔を見上げる。少女は依然として少年の治療を続けていたが、少し様子が変だった。大きな瞳は閉じかかっており、動作も鈍く見ていると時折上体がふらふらしている。 「あ……あの人は……?」 少年の呂律は上手く回っていなかったが、上ずった声で彼は少女に問いかける。 「あの……男は……その、どうなった……?」 少女の手が止まった。少女は何も言わず、真っ直ぐに彼女を見上げる少年から目を逸らす。少年の顔に、俄かに悲愴が広がる。 「あぁ……」 気の抜けた声を上げた。高い天井を見上げ、ぎゅっと両目を瞑る。 少女は作業を再開した。少年はまだ片腕が繋がっていないままだった。彼の足首のリングは光度を限界まで失っていた。 少女がそれ以上少年にすることがなくなっても、少年は自力で立ち上がることができなかった。少女に手を引いてもらい、どうにか体を起こして地面に座り込む。 「あ、あの……な。もう、昼過ぎか……」 どこか胡乱げな口ぶりで少年は呟いた。 少女は立ち上がり、少年の手を引っ張って庭園の日の当たるほうを指差した。向こうへ行かないか、と言いたげな仕草だった。だが少年は、 「あぁ、うん……あー……」 と気が乗らないらしく返事が重い。 少女は少年の横に屈み込み、彼と目の高さを合わせた。その真っ直ぐな瞳に見抜かれて、少年は思わずおどおどと視線を逸らす。が、すぐに向き直って、 「ごめん、あっ、あの……悪いな。僕ちょっと変だな」 と申し訳なさそうに言った。少女は首を横に振る。少年の顔に、いつもの明るい笑顔が戻り始めた。 「そうか、うん……。何かちょっと頭はっきりしてきた。向こうに、向こうのほうに行こうかな」 手を床につき、思うように動かない体をうんうんと唸りながら立ち上がらせる。立つまでは自力でできたのだが、一歩踏み出した途端彼は眩暈でよろめいた。少女が駆け寄り、さっと少年の背を支える。少女に触れられた瞬間少年の体が心なしか強張った。 「ありが、と……。大丈夫、僕、歩けるっ、から」 少年にそう言われて、少女は仕方なく彼から手を離した。よろよろと頼りない足取りで陽光の下を目指す少年の数歩後ろを少女が歩く。途中、少年が一度少女を振り返ると、彼女は何、とでも言うかのように首を捻って少年の顔を見つめ返した。 「あの……そのっ」 少年は一度口にしかけた言葉を飲み込み、どこかやりにくそうな顔をして前へ向き直った。少女に背を向けて歩きながら、肩越しに小さな声で言う。 「……なんでもない、よ……」 少女の足が止まった。暫しそのまま日差しの中へ入っていく少年の後姿を眺め、やがて彼女も少年の後を追った。 机の上に乗り、庭園から持ち帰ったランプを天井から吊るす。日が沈んでから時間が経っており、ランプの火もとうに消えていた。少女の足元を照らすものは何もない。彼女は慎重に机から降り、窓際まで向かった。 椅子を引いていつものように眠りの体勢に入ろうとして、ふと窓が開けたままになっているのに気づいた。身を乗り出して窓枠に手を掛けて窓を閉めようとすると、冷ややかな外気が彼女の腕を撫でた。窓の隙間から少しだけ手を差し入れ、屋外の空気の冷たさを確認する。 椅子から立ち上がると、少女は何も持たずに部屋を出た。階段をゆっくりと下りて庭園に立ち、まだ僅かに光を残している少年のリングを見つける。 少年は屋根の下の壁際に座り込んでいた。自分の膝を抱えて小さくなっている。俯いているため起きているのかどうかは分からなかった。彼のそばに来た少女は、様子を窺うように近くに腰を落とす。 「もう……嫌だな……」 少年の声がした。まだ起きているようだった。少女は無言で座ったまま彼の隣に寄った。 「何で、先にいなくなるんだ、よ……。……おかしいだろ……」 膝を抱える手に力が入る。肩の震えが声の揺らぎとなって発せられる。 「一人は嫌だ、寂しいよ……もう……」 少女の手が少年の肩にかかった。必要以上に身を寄せることはしない。 少年の肩の震えが徐々に治まっていく。少女は彼を案じるようにそっと顔を覗き込んだ。少年が僅かに視線を上げ、暗闇の下二人は互いの顔を見た。少女は何も喋らず、そして少年も何も言わなかった。 静寂の中夜は更けていく。 青く晴れ渡った空を、庭園に二人並んで座って見上げていたとき、ふと少年が、あ、と言って少女の顔を見た。 「あの……その、ちょっと部屋見てもいいか。べっ別に、ちらっと見るだけだから。僕はほらあの、変に探ったり、荒らしたりしないぞ、断じて」 少年は幾分か容態がよく、快活に喋っている。少女が先に立ち上がって少年に手を差し伸べるが、彼は大丈夫だ、と言って自力で立ち上がった。歩くのは流石に不自由があるらしく、少女に半身を支えられながらそろそろと部屋を目指した。 階段を一段一段気をつけながら登りきり、滝の裏の門を潜り抜ける。少年は部屋の中心においてある机まで支えられて歩くと、ここでいいから、と少女の手を離して部屋を見回した。少女は彼のそばを離れ、様子を見ながら窓際の椅子を引いて腰を下ろす。 「君は……」 机に少しだけ体重を預けながら、少女は少女のほうを向いた。 「いつもそこで、そう、寝ていたのか」 少女は頷き、机の上にくたっと突っ伏して見せた。少年が笑う。 「そう、か……」 少年は手元に目を落とす。埃の乗った机の上は、よく見ると板と板の間に乾いた土が挟まっている。少年は何気なくそれを指で撫でながら、 「寂しくなかった……か……? その……」 ちらりと少女のほうを見やる。少女は机に上半身を投げ出したままじっとしていた。 少年は再び俯き、ぼそぼそと話し出す。 「変だって、思ってた。何でって……」 少女が顔を上げ少年のほうを見ているのに気づき、少年は言葉を言い足す。 「君のことじゃない、ほら、あの女の、女の人が……溺れたとき……。……僕何とかして助けようとして、そのときあの人に言われたんだ。君を」 少年と少女の視線が交差する。 「君を……よろしく頼むって。だって変だろ、あの人、君を避けてたのに。避けてた……のか。よく分からないぞ。何なのかな。うん……」 しばらく押し黙る。少し眠そうな目になってきた少年は、軽く頭を振って意識を保つ。少年の、机に置いた手に少しずつ彼の体重がかかり始めていた。 「僕、あの人の頼みを聞けてあげてたのかな……。今は……どう、どうだろ?」 少年に問いかけるような視線を送る。少女は躊躇わず、そっと縦に首を振った。少年の顔に自然と笑みが浮かぶ。 「そうか……あれ、今何て答えたんだ? 質問の仕方変だったな……まぁでも、うん……ならいいんだ。いいや。君がいいなら、僕は……」 少年の言葉が途切れたかと思うと、彼の瞳から不意に光が失せた。体の力が抜け、彼は机に寄りかかりながら床にへたり込んだ。 椅子を蹴飛ばすように立ち上がった少女はすぐさま少年の下へ駆け寄った。その細い身で少年の体を抱きかかえるようにして支え、床に寝かそうとした。 「……あ、ごめ……」 少年は辛うじて意識を繋ぎとめていた。少女の顔は見ず、ぼそぼそと聞き取りづらい声で言う。 「そう、だな……できたら、外に……あっちがいい……。……頼める、か……」 少女は頷き、少年の両腕を抱えて戸口へ向かった。運ぶ途中、机の脚に当たった少年の左腕が簡単に砕けて床に落ちた。 水路に囲まれた、陽の光をよく受ける草地の中央、膝の高さほどの台座の上に少年は横になっている。薄目を開いて空を見上げていたが現在意識はないらしく、虚ろな顔をしたまま崩れかかった体を少女に委ねていた。 少女は少年の体の修復に専念している。少年の左腕は二の腕から下が全て土に還ってしまい、完全な復元には時間を要した。途中土が足りなくなり、少女は大急ぎで部屋へ土嚢を取りに行く。が、彼女一人の力で運ぶのには時間がかかりすぎるということに気づき、空になった土嚢の袋を持って庭園へ戻ってきた。木立の軟らかな土を手で掘り起こして袋に詰め、再び少年の下へと走って向かう。 腕の形を再現しても、それはそう簡単には少年の体の一部にはならなかった。肩に継ぎ足す形で腕を作っても、土を払っていくうちにそこからまた崩れてしまう。少女の手の動きは次第に慎重になり、肩に近いところから少しずつ腕を復元していった。 手首まで崩れずに腕を復元したとき、少女はふと少年の足のほうを見た。彼の右膝が、いつの間にか崩れていた。そこから爪先までの足が無く、その下に茶色い土が小さな山を成している。 少女は手の復元をそこで止め、土を持って少年の足の側へと移動した。膝元に土の山を作り、土を手でこねる。修復を始めて少ししたとき、ごとっという音がして彼女は顔を上げた。先ほど治した左腕が肘から土になって崩れ落ちていた。少女は一時手が止まったが、すぐに顔を伏せると右足の治療にとりかかった。 「あ……れ……?」 小さな声がした。少年が意識を取り戻していた。少女はちらりと少年の顔を確認し、また足に目を戻す。 「あぁ……治して、くれてるのか……? 僕、を」 少年は首を動かすことができず、真っ直ぐに空を見上げたまま言った。 「……ありがとうな……。でもあの、多分、あれ……あれだ。もう結構、何か……きついだろ。何かそんな感じがする」 少年の声には悲しみはこもっていなかった。既に何もかも諦めた、安らかな声だった。 少女は少年の言葉に答える代わりに、彼の左手にそっと自らの手を重ねた。握れば手は崩れてしまうほど少年は弱っていたため、触れているか触れていないか分からないほどに軽く置く。 少年は少女の反応に、ん、と意外そうな声を出した。 「何か君……変ったな。いや……何となくな。……ああ。うん……ごめんよく分かってない」 少年はそう言って控えめに笑った。少女は手を休めない。 木立の葉の陰に留まっていた小鳥が、数羽二人の近くへと舞い降りた。少年にはその姿は見えなかったが、羽音を聞いて嬉しそうに微笑む。 「やっぱり外は、気持ちがいいな」 爽やかな風が吹き、少年の髪を揺らした。そっと目を閉じ、頬に風を感じる。暖かな日差しの中で、少年はゆっくりと深呼吸した。 光の溢れる庭園の真中に、一人の少年が目を閉じて仰向けに横たわっている。彼の体は元の形をどうにか取り戻してはいたが、既に足首のリングは光を失い、少年は体を動かすことが全くできなかった。 少年の隣には、彼より少し幼く見える少女が座っていた。少年には触れず、彼を見守るようにそこを動かない。俯いており、前髪でその顔が隠れている。 「……な……ぁ……」 少年の唇が僅かに動き、その合間から掠れた声が聞こえた。白い服の少女は返事をせずじっとしている。 少年は残された僅かな時間を言葉に込めるように、 「ごめ……ん……。一人に……し……て……。あ、後……」 と言った。一呼吸置き、殆ど聞き取れないような小さな声で続ける。 「いっしょに、いて……くれて……」 唇を少しだけ開けたまま、少年の動きは止まった。彼は完全に沈黙し、もう言葉を発することは無かった。 少女は同じ姿勢のまま無言で固まっていた。彼女はそのまま、永い間そこでそうしていた。俯き、口を真っ直ぐに結んでいる。その大きな青い瞳は穴が開くほどに自分の膝の一点を見つめていた。言葉は無い。 やがて彼女は立ち上がる。すぐそばの地面に置いてあった木箱を手に取り、仕掛けを外して蓋を開けた。中から取り出した菱形の鍵を持って、庭園を外界から隔てる扉の前へと向かう。 堅く閉ざされた扉は長い間動いてないらしく、表面に蔦が這っていた。少女は背丈の三倍ほどもあるその扉を見上げ、鍵を持つ腕を持ち上げた。 少女が台座の元へと戻ってくると、少年の体は少しずつ土へと戻り始めていた。肌の色が失われ、表面に皹が入り始めている。少女はそれを見、再び少年の体の隣にぺたんと座った。 少女の右手が徐に動き、彼女の胸を抑えた。崩れ行く少年の隣で空を見上げ、口を少しだけ開ける。その口からは言葉は発せられないが、彼女は誰かに何かを伝えようとしているかのように深い呼吸を繰り返していた。 空には薄い雲がどこまでも広がっている。その全てが太陽の光を遮り、まるで雲そのものが光を発しているかのように白く輝いている。頭上遥か高くを鳥の群れが横切った。雲の切れ目から差し込む陽光が空気に幾重もの光の線を描き、鳥たちはその合間を縫うようにして遠くの空へと飛び去っていく。 少女は首を隠す黒い布に手をかけ、それを引き下げた。その下に手を差し入れ、彼女の首に嵌っていた金属製のリングに触れる。目映いほどの光を放つ表面を撫でているうちに、かちりと音がしてリングは綺麗に二つに割れた。彼女はそのリングを首から外し、横たわる少年の左の足首にそれをあてがった。もう光を発していない彼のリングの上に寄り添うように割れたリングを合わせる。またかちりと音がして、新たなリングは少年の足首にしっかりと嵌った。 少女は緩慢な動きで再び少年の隣に腰を下ろす。少しずつ生気を取り戻していく少年を見、小さく息をついて、そっと瞳を閉じた。 その体がゆっくりと横に傾き、倒れる。そして地面にぶつかった瞬間、少女の体は土塊となって粉々に砕け散った。 陽の光の下で、少年はそっと目を開けた。覚醒と同時に気の抜けた声が口から零れる。 「……あ……れ……?」 自分の右手を空に翳し、握ったり開いたりする。確認するように自分の頬に触れ、肩に触れ、それからゆっくりと起き上がった。 辺りを見回し、小声で呼びかける。 「お、……おい……? どこに……」 庭園には彼の他に動く者はいない。少年はしばらく呆けたようにその場に座り込んでいた。 と、彼の目が石柱群の奥のほうに留まる。そこにあった庭園の石扉が開かれていた。その向こうに、外の景色が覗いている。 ●●●● 緑の生い茂る大地にしとしとと冷たい雨が降っていた。 その雨の中、襤褸に身を包んだ一人の男が巨大な岩陰を目指して走っていた。男は怪我を負っているのか、その走り方はどこか不自然だった。 岩の陰へ入るともう雨は彼の体を打たなかった。彼はほっと息をつき、どさっと倒れるようにして小さな岩に腰掛けた。 「あっ、あのっ」 そのとき岩陰の奥の暗がりから、少年の声が聞こえてきた。男はおや、と顔を上げてそちらを見やる。 そこには先客がいた。ほぼ全身を厚い布で覆い、非常に動きにくそうな格好をしている。体格や布の隙間から僅かに覗く顔立ちから、彼が成人していない少年であるらしいことは分かる。 男は雨に濡れた頭を掻きながら、 「あ、こ……こんにちは。あなたも、雨宿りですか」 と少年に挨拶をした。息が上がっていたためやや聞き取りづらかったが、穏やかで優しげな声だった。 「は、はい、うん、そうだ。そうだな」 少年は少し緊張しているのか、時折声が上ずっている。 「こう、ここに何かこんなのがあって助かったな。ほら何ていうか、そろそろ降りそうだってことは思ってたんだけど、大分家とか街とかから離れちゃってから、戻るわけにも行かないし」 「そう、ですね。私も焦りました。結構濡れちゃいましたけど。っ痛……」 男は顔を顰めて肩を抑えた。 「え、な、怪我してるのか……?」 「あはは、はい。ちょっと、……これは色々あって、怪我しちゃいました」 「そうか、大変だな」 男はいえ、と言って微笑む。 「それに結構長く歩きましたから、へとへとだったんですね。雨降らなくても、ここで休んでたかな」 男はそこで言葉を切り、しばらくの沈黙の後、ところで、と話を変えた。 「どこへ向かわれてたんですか。こんな、雨の中」 「僕か、僕はその、あの、特に目的地っていうのじゃないんだけど……まぁ君が来たほうに行こうって、そんな感じだ。適当だけど」 「あぁ、そうでしたか。なら、すぐ先に街があります、休んでいくといいですよ」 男のその言葉を聴いて、少年はあれ? と首を傾げる。 「なら君は、そこで休まなかったのか?」 男は静かに首を振った。 「いえ……。私、早く行きたかったんですよ。というより早く帰りたかったんですね。今家に向かってる途中なんです、結構長く留守にしてまして」 「へぇ、そうなのか。家が心配、とか」 男はまた首を降る。 「……というより、待ってる人がいるので……。……いや、嘘です、分かりません」 何処か声色を落とした男の顔を、少年が訝しそうに覗き込んだ。 男は訥々と語る。 「私を待つ理由はないかもしれないです。ないです。あの子は……最後まで私に心を開いてくれませんでした。今頃家を開けて、どこかへ行ってしまっていても変じゃないです」 「そう……か……」 少年は少ししおらしくなって男から離れた。 「いえ、それはでも寧ろ嬉しいことです。私、本当はその子にココロがないのかって思ってました。ずっと……。でももしそうなら、もし家が空だったら、あの子は自分の意思で、旅に出たんですよね」 「それはっ」 少年が突然顔を上げて男のほうを見た。男は思わず口を閉ざす。 「ココロがないなんて、……離れてると分からないこともあるけど……。きっと、待ってるよ。帰ったら会ってやれよ、その子に。な?」 男はしばらく少年の顔を見てじっとしていたが、やがて深く頷いた。 「……分かりました。きっと大丈夫です。きっと……」 雨は間もなく上がった。雲の切れ間から日光が差し込み、大地を照らした。男と少年は互いに短い言葉で別れを言い合い、そして別れ、それぞれの道を歩み始めた。 道にできた水溜りが、次第に明るくなっていく空を水面に映していた。
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戦闘での主な運用 戦術指南 / \. / | / | ∨ | __ i |__ | ‘, > '" ¨'' | /´  ̄二=- ., , '" | }/ ⌒ヽ. /  ̄ミ\ / | / , \─-ミ \ / 人 ' / \ ミ゙\ \  ̄ ¨ '' ─- ... _ ' / X_i { | i \ ‘ . /  ̄ ‐ ミ /// / / . | | | | | | ヽ | ’, / ___ ...二ニ=- \ /′ ' / / . | | .斗─! |、 ┼i┼;-i| 廴人\ ( ̄ ̄ ̄ ̄ `\ | . \ . i〉 八 |八从\| \j八| | } V \ `\ | ' | |_ノ j! ヘ{`ー'" `ー'"ムイ } \ | / | | ̄¨'7i | ⌒ヽ`` ' ```イ j ト、 ; \ .. \ ∨ 八 | /八 {\\> .._ ` ´_.ィ´ノィ/∨ ∨ \\ .... ミ\ \/ / / \´ ⌒∨¨}=ニ={⌒}  ̄⌒\ \\ `` ‐- ... ___ /// . / / 廴__ ___ ノ ‘; ... ──── // / . / ノ 入_´ ,.イ /x,.ニニニフ ‐- ... __ // /.. // 辷‐<__/__ ノ// \  ̄ ̄ // // /|\ ____,/二_У V⌒ヽ\_/又 \ \ ‐- ... _ ..二ニ=-─ // // // | トr r‐ '" ( (/`ー-、 ノ}___ ̄´ } ..\ \ `ヽ / , ' // // / |/ _夊⌒7{ //|__ 乂___ノ ..\ ` ., \ i.// ;' | i / / / | | 〃ニ_ソ ∨\ \ .... ‐- ... _ {// i i | i \ / | ム i | | | ∨ ) ∨ ̄ ̄¨ ' ; ...... ... //; | | | | /___>| / ∨Xノ | , Ⅳ 厂 ̄ ̄ \/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 .. // \\ | | | | \ _{ i /\\|/ ∨ / \ | 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そのターンの間、「かばう」状態以外の仲間一体が受けるダメージを半減する結界を形成する。1/戦。【結界】【セ】 [ 守護者 消費0 / かばうの上位互換、MPを消費しない。【セ】 [ ガードスキル:ディストーション 消費30 / 数ターンの自分が受けるダメージをLvに応じて軽減する。【セ】 [ だいぼうぎょ 消費25 / 受けるダメージを大幅に軽減する。1/戦。 [ すごいボケ 消費8 / すごく鮮やかなボケでそのターンに受けた悪影響をなかった事にできる かもしれない【セ】 [ 固有結界:無限の剣製 消費260 / 自分の【斬撃】か、その戦闘中に使われた【斬撃】攻撃を記憶し、行動終了時に自動で発動する。 ステータスは特技の使用者の能力で判定する。3Tで消滅する。【必殺】 [ 赤原猟犬 消費30 / 敵単体に相手に当たるまでどこまでも追いかけ続ける「剣」。【必中】【精製】 [ キューピットアロー 消費X / 自身が恋をしていればいるほど威力と消費MPが増加する乙女攻撃。【射撃】 [ ライダーキック 消費25 / 敵単体に凄まじい強烈な飛び蹴りを放つ。【格闘】【突破】【必殺】 [ かぶとわり 消費5 / 敵単体にダメージを与えつつ、しゅびりょくを下げる [ 銀鎖乱舞 消費12 / 敵単体を攻撃後、中確率で束縛する [ こごえるふぶき 消費10 / 敵全体に猛烈な吹雪のブレスを吐く。【ブレス】【吹雪】 [ 狂気のグラビーム 消費41 / 敵単体めがけて触れると精神が汚染されるドス黒いビームを放つ。【ブレス】 [ こわくのまい 消費32 / 誰よりも早く味方全体のテンションを1段階上昇させる。1/戦。【踊り】 [ めがみのまい 消費30 / 味方全員のHPを回復させる。【踊り】 [ ほしのまい 消費50 / 星に祈りを捧げる舞いを踊る。味方全体のHPを煌めいた星の量に応じて回復させる。【踊り】 [ ほしのうた 消費50 / 星の輝きを引き立てる歌。天に星が煌めく。【歌】 [ しゅくふくのうた 消費25 / 仲間全員の能力値をランダムに上昇させる。【歌】 [ エターナルグロース 消費70 / 自身の全能力を上昇させ、HPを回復させる。 [ ウィッシュエナジー 消費100 / 自分以外の仲間のMPを回復させる。テ/1。1/T。【光】 [ めがみのしゅくふく 消費150 / 3Tの間、ターン終了時に仲間全員のHPを大きく回復させる祝福を降らせる。 [ ??? / 783スレ5458で習得 【職業特技】 [ つるぎのまい 消費12 / 踊りながら連続で敵ランダムに2~4回の斬撃を繰り出す【斬撃】【踊り】 [ アザースステップ 消費10 / 仲間一体を誰よりも早く行動させるステップを踏む。【踊り】【セ】 [ うけながし 消費5 / 物理攻撃のダメージを受け流す、対象はランダム【セ】 [ みかわしきゃく 消費5 / 物理攻撃を回避しやすくなるステップを踏む【踊り】【セ】 [ さそう踊り 消費3 / 敵一体を踊りに誘い、しばらく行動できなくする【踊り】 [ おたけび 消費3 / 敵全体を低確率ですくみあがらせて行動不能にする [ おうえん 消費3 / 仲間一人のテンションを一段階上昇させる [ やすらぎの歌 消費8 / 味方全体のHPを少し回復する【歌】 [ めざめの歌 消費4 / 仲間全員を起こす歌を歌う【歌】 [ 天使のうたごえ 消費10 / 仲間一人を低確率で蘇生させる【歌】 [ ディスコード 消費10 / 敵味方関係無しにそのターン行われた魔法攻撃にダメージを上乗せする【セ】 [ ちからため 消費4 / ちからをためて、次に行う物理攻撃の威力を上げる [ メタル斬り 消費3 / 特性「メタルボディ」に対して必ずダメージを与えられる【斬撃】 [ まじん斬り 消費5 / 大ダメージを与える攻撃、命中率は低い【斬撃】 [ トラバサミ 消費6 / 設置技。踏むとダメージを受けるトラバサミを設置する、相手の隊列移動を制限する。 【パッシブスキル】 [ ドクタードリトル / あらゆる生物と意思の疎通を図ることが出来る、自分だけ [ 大樹の精霊:破片 / 大樹に宿る精霊の力の一部、HPの成長率が高い。 [ 2回行動 / 2回行動を行う。 [ 吹雪がとくいEX / 【吹雪】系の効果が大幅に上昇する。 [ 花の加護:照破 / 回復・補助の呪文・特技の効果が強化される。遺伝しない。 [ 踊りがとくいEX / 【踊り】に分類される特技の効果が「大幅」に上昇する。 [ チラリズム / 【踊り】を行った際、低確率で異性のモンスターを魅了し行動を制限する [ 剣の記憶 / 『無限の剣製』の効果中、中確率で再現時に使用された能力をすべて引き出す。 ※ [ 否定の一触れ / 自身を対象とする攻撃を低確率で妨害する。 ※ [ 満輪咲花 / テンションが「3」になった際、『熾天覆う七つの円環』を使用出来る。 ※ [ 雪の結晶 / 『英雄決起』の効果を受けた際、『盾』を「1~2枚」精製する。 ※ [ 盾の記憶 / 「戦闘不能」になった際、仲間を守る『盾』を「1~3枚」精製する。 [ ダブルダウンドロップ / 自身が『盾』を展開した時、低確率で更に『盾』を展開する。連鎖はしない。 ※ [ チューリップサービス / 『熾天覆う七つの円環』で作り出した「盾」が破壊される度に味方単体の能力値かテンションが上昇する。 ※ [ セルフガーディアン / 全体攻撃を単体・対象自分に変更し、ダメージを軽減する。1/戦。 [ インヴァルネラブル / 「かばう」「におうだち」の最中に受けるダメージを軽減する。 [ 孤人要塞 / 溜まっているテンション数に応じて受けるダメージを軽減する。 [ 反射装甲 / 一定以上のダメージを受けた際、低確率で相手にダメージを与える [ 正義の心EX / 仲間が倒れると全能力が上昇する [ ハピネスヴェール / 能力上昇時にHPが回復する。 [ プリズム / 自身のHPが回復した際、仲間にも回復を撒き散らかすことがある。 [ 意識圏EX / HPが0になった際、「戦闘不能」「死亡」をターン終了時に適用する。1/戦。 [ ラストプライド / 自分以外の仲間がいる状態で「戦闘不能」になった場合、一定確率で起き上がる。1/戦。 [ 守護霊 / 自身が戦闘不能になった次のターン、仲間が受けるダメージを軽減する。 [ 捧げる生命 / 「リーダー」が「戦闘不能」「死亡」した際、自分の生命と引換に蘇生させる。1/戦。 [ 固有血継:護神完成 / 「戦闘不能」「死亡」中のみ使用可能。「かばう」を行う。対象のテンションに応じて発動率が変化する(4以上で確定)。1/戦。 [ 白き連環天使 / 自身の「ラストプライド」が発動せずに「戦闘不能」になった場合、仲間一人のHPが0になった時、中確率でHPを「1」にして復活させる。1/戦。 [ 愛の絆 / 愛の絆で結ばれたお互いの為に行う効果が上昇する。愛で結ばれた絆は、心象を具現化してもつながり続ける。 【職業特性】 [ 本日のラッキーメンバー / 異世界へ行く際、連れて行くと便利な仲間を1体直感で理解する [ 危険感知 / ダンジョンなどでのトラップ発見率にボーナス 【アクティブスキル】 [ 救済の女神x / このターン、仲間全員の受けるダメージを0にする。1/戦。再使用不可。 ※ [ クラフトマリアージュx / 『熾天覆う七つの円環』で精製される『盾』を1枚創りだす。 [ 八重垣EXx / 「かばう」を使いながら行動を行う。2/戦。 [ グレートウォールx / 同時に使用する「かばう」が妨害されない。 [ ミュージカルx / 【歌】と【踊り】を二つ同時に使用できる [ 白光の魔眼+x / 敵単体が行う攻撃の対象をそれを行った対象に変更する。1/戦。 使用後、MPが0になる。また、MPが最大値の半分がなければ使用不可 (敵が)全体攻撃の場合は対象が単体になり、複数回攻撃の場合は最初の一回しか反射できない [ セルフサクリファイスx / HPを消費して自身のこうげきりょくを上昇させる。 [ 時をかける少女y / 行動指定時に対象を指定する、自分の行動順がその対象の行動前になり、同タイミング時に自身を優先する。1/戦。 【耐性】 [ 天使の指先 / 【無効】「弱点属性追加」 [ 妨害耐性- / 【軽減】「ステータス低下」 [ バックベアード / 【吸収】「ドルマ」 [ クトゥルフ耐性 / こいよSAN値判定! ダイスなんて捨ててかかってこい! ※即死耐性内蔵 ※x、yとついた特性は任意発動 【両親】 [ ♂:フォルテッシモ(フォルテ・ゼロ) マスター:やらない夫 [ ♀:ラッキィ(アデーレ・バルフェット+9) マスター:やらない夫 【血継限界】 [ ディストーション・ロストテクノロジー / 2Tの間、自分が受けるダメージを半分にする。【血統:天使】 [ 英雄の如き一撃 / テンションが「3」上昇し、次に行なう「ライダーキック」のダメージが2倍になる。【血統:鍵吉】 戦闘での主な運用 防御能力とサポートに特化した、盾の血統限界。 血統限界固有の能力だけでなく、「愚者の黄金EX」によりさまざまな能力がEX化し、強化されている。 親世代からの能力に加えて「愛の絆」「ティアードロップ」などでの強化が強力なため、集とのセット運用が基本になるだろう。 「救済の女神」は「盾の守護獣」をPT全員を対象にし、「守護者」と併用せずに仲間を守れるため他の行動を同時に行える。 「特性無視」や【突破】をされない限り全員の行動を保証できるのは非常に強力。 ただし「神の盾」と違い「減少ダメージ」までは「堅牢守護」を併用しても無効化できない点に注意。 「八重垣EX」により一人をかばいながらの別行動が2回でき、「サンクチュアリZERO」によりもう一人の味方への被ダメージを半減させるなどの防衛もできる。 さらに、確定発動になった「意識圏EX」により、ターン終了時まで確実にダメージを吸収できるため、より長くPTの生存に貢献できる。 【必殺】の「熾天覆う七つの円環EX」は、旧来のものと比べて燃費がよく、セットアップ発動へと強化。 相手の強力な攻撃時に合わせたいときに「時をかける少女」を使う必要がなくなった。 また、「装備:久遠の花弁」により軽減対象に「HP減少」が追加されている。 さらに「満輪咲花」によりテンションが上昇して「3」になった際には手番以外での使用が可能。 集と組むのが前提のためテンション「3」はすぐに達成してしまうので、他の防御能力を無駄使いしないようにタイミングは見極めたい。 「クラフトマリアージュ」により、ASの使用で一枚だけだがノーコストでの展開も可能になり、 『英雄決起EX』の効果を受ければ「雪の結晶」の効果で1~2枚の盾が自動で精製され、 おまけに盾を創り出すと「ダブルダウンドロップ」により低確率で更に盾を精製し、 盾が壊されても「チューリップサービス」の効果で、味方一人の能力値かテンションが上昇するようになっている。 極めつけは、「盾の記憶」により戦闘不能時にも盾を1~3枚ばら撒くという、どこまでもアイアス特化能力である。 【貫通】により抜かれる場合もあるが、「強固防盾」と併用して抜かれないようにできる。 ただし多段攻撃との相性が悪いのは変わっていないので注意。 相手が手数にものを言わせてくる場合はMP全消費の「ドリームオーラZERO」も視野に入れよう。 「ドリームオーラ」の遮断率は、「消費MPの三分の一」。 また、「貫通」でも破れないが、一度でも遮断不可能なダメージを受けると2T経過していなくても消滅する点に注意。 対MM戦では切りどきが難しいが、「弁当」や「星のかけら」によるフォローが効く野戦では有効なタイミングも多いだろう。 これまでのこの血統と比べるとサポーターとしての性能が強く強化されており、味方の回復や能力上昇に長ける。 「ハッスルダンス」が強化された「めがみのまい」、「のろいのうた」が変化した「しゅくふくのうた」は 「こわくのまい」と合わせて「ミュージカル」で使っていけるだろう。 「エターナルグロース」は【歌】【踊り】ではないので他の行動との併用が難しいが、「ハピネスヴェール」や「プリズム」といった特性での回復にも期待でき、 自分が倒れた後はマスター特性の「再臨刻起」で味方の強化にも繋げられるため、余裕があれば使っていきたい特技。 「めがみのしゅくふく」も同じく【歌】【踊り】ではないが、3ターンの間、ターン終了時にHPを大きく回復してくれる優れもの。 また、味方からの「ベホマラー」や、自身の「しゅくふくのうた」「ハピネスヴェール」により、「プリズム」がトリガーする機会が多い。 回復量がこれまでの編成と比べると大幅に上昇することが見込めるので、積極的に狙うのもいい。 また、集の各種能力上昇を「ラ・ピュセル」で分けてもらい、そこに「ハピネスヴェール」を重ねて回復と強化を一気に行うことも可能。 サポートに特化した反面、「シールドスマイト」が消失したことにより火力は下がったと言える。(元々火力を期待される役割ではないが) 幸い、「固有結界:無限の剣製」は他人の技をコピーする場合自身の攻撃力が関係しないので、攻撃するときはこれを使っていくのがいいだろう。 上記能力も非常に強力だが、久遠の真価は「捧げる生命」「白き連環天使」「固有血継:護神完成」といった能力群により、 『リーダーである集を実力が一番発揮できるピンチの状態で維持すること』に特化している点である。 そのため、考え無しにダメージを無力化するのではなく、集が自力で耐えられそうな時はあえて防御を緩めたりするのも手。 状況に応じて、久遠が先に落ちるべきか集が先に落ちて「捧げる生命」を発動させるべきかを考えていこう。 また、集が「ティアードロップ」を装備している場合は生存中、かつ集に対してのみ「神の盾」を使用できることも忘れずに。 戦術指南 開く 特技:こわくのまい 誰よりも早く全員のテンションを一段階上昇させる。八重垣との相性がとても良い。 「八重垣」などを使っていなければ、「ミュージカル」で【歌】と併用可能なので忘れないようにしておこう。 なお、残念ながら「踊りがとくいEX」の対象外である。 特技:しゅくふくのうた、めがみのまい&特性:踊りがとくいEX 仲間全員の能力値をランダムに上昇させる【歌】と、味方全員のHPを回復させる【踊り】。 「しゅくふくのうた」は、バフがかかっていなければ「2」上昇する。(766スレ1648) 「めがみのまい」は、全体のHPをおおよそ300回復させる。(801スレ9839) 下記の「ハピネスヴェール」「プリズム」および集の「ラ・ピュセル」ととても相性がいい。 「歌」と「踊り」を同時使用する「ミュージカル」は「こわくのまい」を除けばほぼこの二つを使うのに使用することになる。 さらに「めがみのまい」は「踊りがとくいEX」で強化される。また、「チラリズム」も一応発動するので、使用時には皆で叫ぼう。 特技:ほしのうた、ほしのまい 前者は『星の煌めき』を能動的に溜めることが出来る【歌】。 集の運用における要である『星の煌めき』を積み上げる、集とのセット運用が基本の久遠にはもってこいの特技である。 後者は今までの『星の煌めき』の累積数に応じて味方全体のHPを回復させる【踊り】。『星の煌めき』は使用しない。 場に貯め込んだ『星の煌めき』というリソースを利用する特技の一つとなっている。 星の数次第ではせいしんAA-・聖者付きベホマラーやめがみのまいの回復量を上回る。(星4つで「364」。星一つにつき90前後の回復と見られる。) 集のためには勿論この特技のためにも、隙を見ては「ほしのうた」を使って積極的に『星の煌めき』を積み上げていこう。 特技:エターナルグロース 自身の全能力を上昇させ、かつHPを回復させる特技。 効果量は、「250」回復と全能力「1」上昇。(769-7175)「ハピネスヴェール」と合わせて計「350」回復できる。 「ハピネスヴェール」「プリズム」とのコンボ性が高い。 「八重垣」併用で受けたダメージを回復するために使う他 「神の盾」から「救済の女神」に変わったことで減少を防げない反面、回復も出来るようになっているためそちらと合わせても良い。 特技:めがみのしゅくふく 3ターンの間、ターン終了時に仲間全員のHPを大きく回復させる特技。 「めがみのまい」「ほしのまい」と違い【踊り】ではないため「ミュージカル」との併用はできないが、 一度使えば3ターンは持続するので序盤に使えば、数ターンは生存率が上がるか。 回復量は1ターンにつき「350」。3ターンで合計「1050」回復でき、充分な回復量だと言えるだろう。 特性:ハピネスヴェール、プリズム 前者は能力上昇時に確定でHPが回復する、役割上ダメージを最も被るので地味にありがたい特性。回復量は上昇量×20(796-1648)。 回復上限値は500、だいたい全能力が「5」上がれば条件を満たす。(808スレ5801) 後者は自身のHPが回復した際、仲間にも回復を撒き散らかすことがある確率特性。 連動発動するのでとても相性がいい。 能力上昇の機会はやらない夫からは「英雄決起+」「再臨刻起」、集からは「ラ・ピュセル」「聖なる罪人」など発動機会は多い。 また、どちらの能力も自身の特技で自力発動も可能。 だむが忘れていたら叫ぶべき特性でもある。 呪文:ウィッシュエナジー 自分以外の仲間一体のMPを回復させる呪文。テンション1消費で1ターン1回の【光】の呪文。 Lv20 かしこさB+のユカでだいたいMPを「67」回復させることができ、少量だが特技を1回使うには十分。 特技:ライダーキック 【突破】付きの【格闘】で威力はそこそこだが燃費に優れている。 あくまで役割は盾である久遠にとって、必殺を撃つ機会は極めて限られているが 「セルフサクリファイス」+「時をかける少女」と合わせて撃ち漏らしを落とすなどに利用しよう。 久遠は攻撃「B」であり、「シールドスマイト」もないために大ダメージはまず期待できない。 非常に簡便な【突破】手段であるので、「ソウルアゲンスト」の候補として残してもいい。 血継限界:英雄の如き一撃 鍵吉の血継限界。 テンションを「3」上昇させ、次に行なう「ライダーキック」のダメージを2倍にする「ライダーキック」専用の能力。 防御・補助がメインかつ、「ライダーキック」どころか「攻撃行動」そのものが珍しいので、ほぼ使われることはない。 もしかしたら「血継未使用」+「久遠のみ生存」とかの機会があれば選択肢に上がるかも…。 一応即時テンション補給手段としては有効なので、UBWやアイアスのために使うという選択肢は残っており、 黄金劇場中に使用出来れば3×劇場の残り時間分の効果が期待できる。 特技:赤原猟犬 珍しい属性【精製】の攻撃。やらない夫PTでは数少ない【必中】特技の一つ。 行動順が遅いほど威力が上がるので、他モンスターの速度次第では必殺並みの威力になることも。 「カリキュレイト」等で行動順を変えても威力に影響は無いようだ(750スレ2812-3109) 防御の片手間に攻撃する場合、ファーストチョイスとなりえるだろう。 特技:つるぎのまい あんこの代から地味に残っている多段攻撃。相手が「ふくしゃはどう障壁」互換、「ど根性」などの 「致死ダメージを受けた場合発動して生き残る特性」を持っていて、かつ勇者の「疾風怒濤」が まだ発動しにくい(HP満タンなど)状況下という非常に限定的な状況ではあるが役に立つ。 リーダー・ボスの特性は真っ先に解析されるので、「時をかける少女」と合わせて一気に攻め落としたいときに使おう。 回避型には「赤原猟犬」、防御型には「ライダーキック」、生き残り特性をもつアタッカーには「つるぎのまい」、と使い分けは容易。 【斬撃】と【踊り】の二重属性のため「ミュージカル」の対象特技でもある。 特技:狂気のグラビーム バサルたんにカオスな餌を与えまくって出来た産物、敵単体にダメージを与えるドス黒いビームの【ブレス】。 最大の特徴は状態異常「精神汚染」にすること、「BOSS属性」で防がれたり、なくても成否判定あり(バサルたん使用時)。 「精神汚染」は対象の消費MPと同値のHPを減少させる効果であり、敵のHPが少ない状態で当てれば大技防止効果にはなるか。 特技:固有結界:無限の剣製&特性:剣の記憶 「自分が所持している斬撃」と「その戦闘中に使われた斬撃」からメインプロセス終了時に3ターンの間、1つだけ自動で発動する【必殺】。 ただし攻撃は「斬撃指定不可能でランダム」「斬撃と一緒に発動した特性は発動しない」「ステータスは本来の特技の使用者の能力で判定」となる。 つまり、敵味方の誰かが【斬撃】を使いまくってから使用すると、勝手に同じ技を使いだす必殺技である。 発動する【斬撃】にはMPやテンションの消費は発生せず、技自体の回数制限も特にない。 先に斬撃攻撃を使用していれば別PTの斬撃も問題なく拾え、【必殺】や魔王の「鏖殺剣」も問題なく使うことができる。(757スレ8707) コピーした斬撃は、無限の剣製使用者の隊列の影響を受けない模様。(757スレ9356) 無限の剣製使用者のメインプロセスを増やしても、行動終了後の【斬撃】は1ターン1回のみ。 「天性の剣」で複合した斬撃は、『複合した斬撃の状態』で発動する。(759スレ3201-3203) 消費が重いのでアイアス以上に使いどころを選ぶが、敵味方双方が強力な【斬撃】攻撃を使ったあとに合わせて展開したい。 また、誰かが出落ちしてダメージソースが足りない、といった場合や極限集中を耐えきった後などは使う可能性が跳ね上がる。 なお、攻撃タイミングは「メインプロセス終了時」なので、久遠自身が「行動不能」「妨害」を受けると発動しなくなっている。(790スレ6992) 「剣の記憶」はコピー元の使用時に使われていた特性を中確率で再現するPS。 「天性の剣」と併用した「致命の技」、「鏖殺剣」と併用した「鏖殺絶技」など、効果的な場面は多い。 その性質上、プロセスそのものを増やす「2回行動」とのシナジーは抜群。 コレを修得したおかげで、発動に1手としても、手番外で最大5回攻撃できるようになってしまった。 久遠が立っていないと全く意味の無い能力なので、久遠を繰り出したならば可能な限り早く展開しておきたい。 ……まああと1戦しかないが。 特技:だいぼうぎょ ダメージを大幅(おおよそ1/10)に軽減する。 「かばう」中は自分が受けるダメージのみ「だいぼうぎょ」適用(623スレ243-257) かばって引き受けた攻撃のダメージは軽減されない。 「セルフガーディアン」や「攻撃誘導」使用時、前列に自分一人かつ敵が近接攻撃のみの場合などに、最大効率を発揮する。 消費MPも低めなので「ソウルアゲンスト」用に抱え落ちするのも有効。 特技:ガードスキル・ディストーション 使用後数ターン自分の受けるダメージを減らす特技。 「救済の女神」や「魔眼」といった切り札を切らずに庇える回数が増えるが、使ったターンは仲間をかばえないため、 この特技を使う隙を見つけるのがなかなか難しい所。 元々の思惑とは違うが、「八重垣」と組み合わせるのもいいかもしれない 血継限界:ディストーション・ロストテクノロジー 天使の血継限界。 2ターンの間、自分が受けるダメージを半分にする能力。 要するに仕様変更前の「ガードスキル:ディストーション」を使う能力である。 この能力を活かすには「救済の女神」よりも「守護者」を使ったほうがよい。 「守護者」の他に「姫君の気質」を利用しての「疑似におうだち」での被ダメージ半減、 「サンクチュアリZERO」を用いて「かばう」対象ではない味方の被ダメージも半減するなんてことも可能。 強力ではあるが、残存HPや敵の与ダメージ量によっては過信は禁物。 特技:熾天覆う七つの円環EX&装備:久遠の花弁特性:満輪咲花、クラフトマリアージュx、チューリップサービス、雪の結晶、ダブルダウンドロップ、盾の記憶 【必殺】になったローアイアス。【セ】のため行動順を気にせずに発動できる。 常に「七枚」を展開するようになっているが、通常のアイアスと比べると格段に消費MPが減っている。 【必殺】のためテンションを「3」必要とするが、基本的に集とセット運用のため問題はない。PT編成次第で1ターン目からの展開も可能。 盾は受けるダメージを軽減し、装備している「久遠の花弁」の効果により「HP減少」にも対応できるようになっている。 ただし、ダメージ量を問わずに盾を一枚消費するため、小ダメージの全体攻撃や多段攻撃に対して弱い、というか意味が薄い。 また、ダメージ量が大きいと、ダメージの一部が抜けて来る場合もある。「500~700」ぐらいが最大軽減量?(783スレ4225) なお、「ダメージ軽減」の盾のため、【貫通】や防御効果を無視する「無拍子」などで抜かれてしまう。 が、これは「指揮官命令:強固防盾」を併用することで防ぐことが出来る。 加えてPS「チューリップサービス」により、盾が割られる度に、仲間の能力値かテンションが増加するようになった。 これにより、防御兼バフ&テンション供給源としても期待できる。小ダメージの多段攻撃に対しても、無意味ではなくなった。 ただし、盾を割ったモンスターのメインプロセス終了後の一括判定なので、その時まで久遠が生きていないと意味がないのが唯一の難点である。 そしてPS「満輪咲花」により、テンションが「3」になった際に手番外での発動が可能。ただし、上昇して「3」になったときのみなので注意。 なお、「満輪咲花」はメインプロセス内の行動ではないので、「パリペイティア」等の妨害の影響を受けない。安心して花を咲かせよう。 さらに、やらない夫に適応したPS「雪の結晶」により、『英雄決起EX』の効果を受ければ自動で盾を1~2枚精製できる。 「満輪咲花」でアイアスを発動すれば一度に8枚以上の盾が展開され、割られてもテンションが「3」になればさらに盾が精製される。 「チューリップサービス」によって供給されたテンションによって「雪の結晶」が発動、ということも十分に考えられる。 んでもってAS「クラフトマリアージュ」で、制限回数なしかつMPを消費せずに1枚作ることができるようになった(ただしタイミングは自分の行動時)。 「時をかける少女」などで確実に相手の攻撃を一撃防ぐ、という使い方は勿論、AS枠が空いていたらとりあえず作っておくだけでも相当の効果を発揮する。 極めつけは1/100の確率を引き当て取得した「ダブルダウンドロップ」により、盾を創り出した際に更に盾を精製できるようになった。 低確率ではあるが、能動的・自動的問わず盾を創り出す手段が増えているので試行回数は必然多くなり、それに従い発動機会は多くなるだろう。 残念ながら、神の見えざる手により連鎖発動はしない。 チッ… そしてとどめに「盾の記憶」により死に際にもさらに盾が1~3枚(表記にはないが正式取得時に明言済み)精製される。 いくつかの幸運によって形成された恐るべき循環機能により、集への補助特化であると同時に「熾天覆う七つの円環」特化としても仕上がっている。 特技:サンクチュアリZERO 消費MP「100」と重いが、仲間一体の被ダメージを半減する【結界】を張る、強力な防御特技。 【セ】のため順番を気にする必要はないが、「かばう状態」の対象には効果がないので注意。 「八重垣」or「姫君」と合わせて使うことで一人は庇い一人は半減というような使い方が出来る。 「極」や「ふくしゃ波動障壁」「神の盾(ティアードロップ装備時)」と合わせて、集+もう一人のHP調整にも使える。 特技:ドリームオーラZERO 2ターンだけ自分のいる隊列に、一定値のダメージを遮断するオーラを張る防御特技。 ちなみに消費MP「全」だが、無効化値は(消費MP/3)で上限は無い。(783-3033,3066) 【貫通】も無効化できるが、一度抜かれると消失する。 セットアップではないため「時をかける少女」を駆使してできるだけターン頭に使おう。 なお、対象は自分のいる隊列のみなのと、交代した場合は効果は継続されないことに注意。 特技:守護者&特性:インヴァルネラブル、孤人要塞、否定の一触れ、意識圏EX この血統に連なる者が最も使う十八番の特技。 使用中は常にダメージ量が軽減され、テンション量によりさらに軽減。消費MP0のため、魔眼を使った後にも使えるのでどのような状況でも使用可能。 「否定の一触れ」により、攻撃の種類・範囲を問わずに自身が攻撃対象になった場合、低確率だが攻撃を妨害できるようになった。 かばった際にも発動するかは現時点では不明だが、自身が攻撃対象に含まれていれば全体攻撃でも発動する。 ただし【妨害】なので、「妨害耐性」や「完全行動」のある敵には無効化されるので注意。 また、「意識圏EX」により「かばう」中に「戦闘不能」「死亡」してもターン終了時まで「かばう」を継続可能となっている。 特性:救済の女神x、神の盾x 全員に「盾の守護獣」をかけるという特性盾の最終進化というべき血統限界の能力。 「HP減少」を防げなくなった代わりに、最近増えてきた「かばう貫通」には強くなっている。 「守護者」を使う必要なく味方全員を守ることができ、使用中は補助にも攻めにも転じられるようになった。 ただし【突破】などの「特性無視」には抜かれるため、「堅牢守護」は守りたい相手に指定しよう。 『「堅牢守護>自分 救済の女神 守護者>仲間」の2人を完全生存』は、『【突破】or【貫通】全体攻撃』では完全に守れるが、 『完全破砕』などの『【突破】&【貫通】全体攻撃』には仲間を守りきれなくなってしまった。(この場合、自分は無傷だが) 従来のように完全に守りきるには「命令再起+」と含めて『堅牢守護+強固防盾』の両方をする必要がある。 エラッタにより集の「憑依合体」で「※」が付いたスキルは拾うことが不可能になったため、抱え落ちをしたくない場合は早めに使用するのが吉。 また、集が「ティアードロップ」を装備している状態、かつ集に対してのみ「神の盾」を使用可。 条件は限られるが、「守護者」やサンクチュアリZERO、だいぼうぎょなどと併用することでPT全体の被弾率を大幅に低下させることができる。 特性:八重垣EXx 「かばう」と同時に他の行動を取る事ができる特性。EXに進化して、1戦闘に2回使えるようになった。 「かばう」の追加行動枠で別の対象をかばうことは不可(796スレ6903) 宣言型特性のため他の「x」特性とは併用不可能なことには注意。 手札は豊富な方なので、仲間をかばいながら補助・攻撃・回復など場面に合った適切な行動を狙っていこう。 使い勝手がかなり良いため全く使わずに戦闘終了ということはあまりないだろうが、うっかり相手の初手ぶっぱに切ったりすると 一気に持っていかれたりするので(例:ニア戦)、ボス戦やマスター戦では使いどころを気を付けたい特性の一つ。 特性:グレートウォールx 「かばう」と同時に使用することで、「かばう」を妨害されなくする特性。 「インタラプト」「パリペイティア」などをくらっても安心して「かばう」を使用できる。 ただし、【貫通】などの「かばう」を抜ける攻撃を防げるわけではないことに注意。 確実に仲間を「かばう」必要がある場合は、「強固防盾」と一緒に使用する必要がある。 制限回数はないので、他に優先するべきASがない限りは常に使用しても問題ないだろう。 特性:ミュージカルx 【歌】と【踊り】とを同時使用するアクティブスキル。 【歌】二種類同時使用や、【踊り】二種類同時使用は不可能。あくまで【歌】【踊り】の組み合わせに限定される。 使用回数に制限が無い為、手番が空いた時には積極的に使おう。 【踊り】は「アザースステップ」や「つるぎのまい」も使えることを忘れずに。 特性:白光の魔眼+x ついに進化した魔眼。敵一体の攻撃を問答無用に反射する極悪兵器。 全体攻撃の場合は対象が単体になり、複数回攻撃の場合は最初の一回しか反射できない。 また、相手が複数行動をする場合は、相手の「どの行動に」割り込むかを指定することができる。 例えば敵が2回行動をするとき、1回目の行動を防御でしのぎ、2回目に魔眼を割り込ませることもできる。 この魔眼による攻撃対象変更は「指揮官命令:攻撃誘導」と同じく「妨害耐性」や「王の凱旋」では防げない。 反射した攻撃を回避して「抜き打ち」から「クーデグラ」による追撃で自滅、ということは無い(780スレ7301) 魔眼同士の妨害がしやすくなったが、使った後は妨害できないので、 この先は相手への牽制として使われることが増えるか。 なお、本来はテキストから言っても減少攻撃も能力の対象内になるはずであったが、 同系統の能力にうっかり下してしまった前例にのっとって、減少攻撃は通る事になってしまった。(813スレ6011-6019) MPが最大値の半分がなければ使用不可 であり、使用後はMP0になるのでここぞという時に使うべし。 特性:セルフサクリファイスx 自分のHPを減らし、攻撃力を上げる特性。 基本的に最後まで生き残るという事は無いので、「再臨刻起」によるリサイクル狙いがメイン。 HPが「250」減少し、攻撃力が「3」上がる。(770スレ1047) なお、「ハピネスヴェール」の効果でこのあとに「60」回復する微妙なマッチポンプをする。 特性:セルフガーディアン 1回だけ全体攻撃を単体化して自分に集めダメージを軽減して守るガード特性。 ダメージの肩代わりである「かばう」と違い、喰らう対象を自分に変更するので、「だいぼうぎょ」が有効となる。 特に宣言の必要はなく被弾時に使うかを決定するので、必要だと感じたら叫ぼう。 特性:意識圏EX、ラストプライド、白き連環天使、捧げる生命、守護霊 「意識圏EX」はターン内の行動を保障する特性で、「ラストプライド」は仲間がいる状態ならば一定確率で起き上がる特性。 「ラストプライド」の判定は「意識圏EX」の後に行われるとされている(765スレ5349、802スレ2782)。※ 例:HP0→意識圏発動→ターンの最後に戦闘不能が適用→戦闘不能が適用された瞬間にラストプライドの判定 このためターンの最後に復活することになるので、より「ラストプライド」が活かしやすくなっている。 「ラストプライド」を発動せずに倒れた場合でも、「白き連環天使」により仲間を復活させることが出来るため、一粒で二度おいしい。 そして、「捧げる生命」により戦闘不能になった場合「ラストプライド」が発動しないため、集の爆発力維持のためには集が先に落とされる方が好ましい。 しかし、「ティアードロップ」装備時は久遠のHPも集の会心系特性の判定に使われるため、条件付きで久遠が意識圏に入った状態でも爆発できるようになった。 おまけに「守護霊」により自身が「戦闘不能」になった次のターンは仲間が受けるダメージを軽減してくれるので、 久遠が先に落とされたからといって、一気に総崩れにはならないようになっている。 「ティアードロップ」を装備している場合は「捧げる命」の回復量を任意で指定できるので、状況に応じて判断しよう。 ※ただし、「ラストプライド」の判定が「意識圏」の発動前に来る事例(766スレ6317、780スレ7775、802スレ2689-2705)が存在している。 尤も指摘を受けたことで802スレ2782において前者の処理に訂正されたので、今のところは前者の処理が正しい模様。 特性:正義の心EX 仲間が戦闘不能になることにより、全能力が上昇する特性。EX化したことにより確定発動となった。 「ハピネスヴェール」と「プリズム」との相性がいいのだが先落ちが前提の盾なため、発動が忘れられがち。発動機会があったら叫ぼう。 特性:固有血継:護神完成 「戦闘不能」「死亡」しても1回だけ「かばう」を行う、文字通り『死んでも守り抜く』特性の1つ。 対象のテンション数に応じて発動率が変化し「4」以上で確定。 テンション数次第だがかばう必要の無い場面では割りと空気読むらしい(747スレ1350) 「かばう貫通」に対しては発動したうえで貫通される。 集とペア運用が前提のため、「黄金劇場」中ならほぼ確実に発動するが、もう一人が生きている場合は防御札が分散しかねない点で要注意。 特性:時をかける少女y 汎用スキルである「カリキュレイト」が勢いで進化した奇跡の産物。 「アザースステップ」や「ザ・ワールド」など、任意最速とかち合っても速度勝ちできるという【よくわからないなにか】である。 使用の際は先制したい相手ではなく最速と指定しよう。 ただし、同タイミングでの優先行動特性「先の先」により確実なものではなくなっているので、相手の特性次第では要注意。 また、いくら早くても妨害に止められるのは覚えておこう。 最速行動などの行動割り込み関係についての詳細は戦術指南の「戦闘時の行動順」の項目参照。 久遠はどちらかと言えば鈍足(C-)なのでセットアップでない特技を使うときには必須。 「ドリームオーラZERO」「各種補助行動」「とどめの一撃(必中・多段・突破をそれぞれ持っている)」など生かしたい場面は多い。 「八重垣」や「ミュージカル」とも併用可能なので使いどころはちゃんと考慮しよう。 耐性:天使の指先、妨害耐性-、バックベアード、クトゥルフ耐性 久遠の持つ耐性群。 「神龍の吐息」「魔人闇」のような「弱点属性追加」を無効化する「天使の指先」。 「ステータス低下」を軽減する「妨害耐性-」。 【ドルマ】を吸収する「バックベアード」は【ドルマ】持ちが増えてきたため活躍頻度が上がっている。 【いあいあ】を無効化し「即死耐性」まで内蔵してたりする「クトゥルフ耐性」。 特に御大=フェイスレス相手ならクトゥルフ耐性は要となるだろう。 ページ容量確保の為、戦術指南を別ページに分割しinclude(別ページ埋め込み)にて表示しています。 戦術指南を編集する場合は こちらのページに入り編集してください。
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ようこそおいでませ 皆さんこんちゅ~っす♪香音@久遠ですだw 呼び方は適当でどぞw 年齢・・・高校卒業したけどまだ二十歳ではない年齢だおw 好きなことゲームと漫画収集 タルタロス暦 半月ぐらいなるかなw 好きなゲーム テイルズシリーズ 音ゲー全般 サーカス・・・・わかる人はどぞどぞ絡んでw 好きな声優 女 あみっけ、しゅが、遠藤 綾、その他もろもろ 男 断然、関 智一(大好きです)←ここ重要です 他はとりさんだったり神谷さんだったりかなぁ♪ 見てわかるようにヲタって奴ですわw 大丈夫な人よ誰とでもしゃべるからどんどんカモンw 最後に住みは大阪ですw ぜひ遊びにきたら教えてください♪ さほど案内とかはできないですが 一緒に遊びましょうw スカID toratorarikki
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久遠寺 那由他 ※現在は更新していません。詳細は文殊でご確認ください。 http //maki.wanwan-empire.net/nations/format/15#15-00752-01 ○15-00752-01:久遠寺 那由他(PL:なゆた):根源力計:38000 ○所持資格:なし イベントNo イベント名 リザルト アイテム 補足 - EX是空救出 - 是空救助勲章 リザルト 戦R - まきの誕生日作戦 5000 まきの誕生日勲章 リザルト 戦 107 OVER90 3000 - リザルト 戦R - ターン13裏マーケット購入分 20000 - - 135 よんた大爆発 10000 - リザルト 戦 根元力総計 38000 ○所持資格 なし ○現在の所持アイテム 是空救助勲章 まきの誕生日勲章
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“ブースター”久遠隆哉 【年齢】 【性別】 【星座】 【身長】 【体重】 【血液型】 17 男 蟹座 178cm 72kg O 【ワークス】 【カヴァー】 【ブリード】 UGNエージェントA 高校生 クロスブリード 【シンドローム】 オルクス ソラリス 能力値 肉体:1 感覚:1 精神:2 社会:5 白兵:1 射撃:0 RC:1 交渉:0 回避:1 知覚:0 意思:0 調達:1 運転():0 芸術():0 知識():0 情報(UGN):1 運転():0 芸術():0 知識():0 情報(噂話):1 副能力値 HP最大値 常備化P 財産P 行動値 戦闘移動 全力移動 24 12 8 4 9m 18m ライフパス 出自 経験(UGN) 邂逅 父親不在 平凡への憧れ 同志 覚醒(侵食値) 衝動(侵食値) 侵食基本値 犠牲(16) 嫌悪(15) 31 ロイス 関係 名前 P感情:(チェック) N感情:(チェック) ロイスorタイタス Dロイス 変異種:ソラリス Dロイス 父親 - 遺志:○ 隔意 ロイス 同志 アッシュ・レドリック 連帯感:○ 猜疑心 ロイス エフェクト 番号 エフェクト名 LV タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 制限 - リザレクト 1 オート - - 自身 至近 効果参照 - - ワーディング 1 オート - 自動成功 シーン 視界 0 - 1 コンセントレイト:オルクス 2 メジャー シンドローム - - - 2 - 2 さらなる力 1 メジャー RC 20 単体 至近 5 80% 3 トランキリティ 5 メジャー・リアクション 精神 - - - 3 - 4 狂戦士 3 メジャー RC 自動成功 単体 視界 5 80% 5 バーストアップ 1 メジャー RC 自動成功 単体 視界 6 Dロイス 6 導きの華 5 メジャー RC・交渉 自動成功 単体 視界 2 - 7 妖精の手 2 オート - 自動成功 単体 視界 4 - 8 タブレット 2 オート - 自動成功 自身 至近 2 - 9 猫の道 1 メジャー - 自動成功 自身 至近 - - 番号 効果 参照P - 戦闘不能時orシーン終了時使用。戦闘不能を回復し、HPを(LV)D点回復する。回復したHPと同じだけ侵食率上昇。このエフェクトは侵食率が100%以上では使用不可、重圧状態でも使用可 ルルブ1:P169 - シーンに登場している非オーヴァードを全員エキストラにする。逆に登場しているオーヴァードは使用されたことが自動的に分かる。エフェクトの効果はシーン中持続 ルルブ1:P169 1 組み合わせ専用、判定のC値を-LVする(下限値7) ルルブ1:P169 2 行動済みの対象に使用することで対象を未行動にする。単体のみ。1ラウンド1回まで使用可 ルルブ2:P171 3 このエフェクトを組み合わせた判定のダイスを+[LV+1]個。メインプロセス終了時にHPを3点失う ルルブ1:P165 4 対象が次に行うメジャーアクションのクリティカル値を-1(下限値6)し、判定のダイスを+[LV×2]個 ルルブ1:P167 5 対象が次に行うメジャーアクションのすべてのエフェクトのレベルを+1。単体のみ。1シナリオLV回まで使用可 上級:P61 6 次に対象が行うメジャーアクションの達成値を+[LV×2]、購入判定には不可 ルルブ1:P152 7 対象が判定のダイスを振った直後に使用。ダイス目のひとつを10に変更。判定途中でも使用可。1シナリオLV回まで使用可 ルルブ2:P153 8 ソラリスのエフェクトを使用する直前に使用。射程を視界に変更。1シーンLV回まで使用可 ルルブ2:P168 9 イージーエフェクト ルルブ2:P157 武器 番号 名称 種別 技能 命中 攻撃力 ガード値 射程 常備化 1 素手 白兵 白兵 0 -5 0 至近 - 番号 解説 参照P 1 素手をデータとして扱う数値 ルルブ1:P177 防具 番号 名称 種別 ドッジ 行動 装甲値 常備化 1 番号 解説 参照P 1 一般アイテム 番号 名称 種別 技能 常備化 1 コネ:UGN幹部 コネ 情報:UGN 1 2 コネ:噂好きの友人 コネ 情報:噂話 1 3 コネ:警察官 コネ 情報:警察 1 4 コネ:情報屋 コネ 情報:裏社会 1 番号 解説 参照P 1 情報:UGN 判定にダイスを+2個 ルルブ1:P179 2 情報:噂話 判定にダイスを+2個 ルルブ1:P179 3 情報:警察 判定にダイスを+2個 ルルブ1:P179 4 情報:裏社会 判定にダイスを+2個 ルルブ1:P179 コンボデータ REBOOT 条件 組み合わせ タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 ダイス+浸食率修正 クリティカル 攻撃力 100%未満 1+2+3+4+5+6 メジャー RC 20 単体 至近 23 8+浸食率修正 8 解説 対象を未行動にし、次のメジャーアクションのクリティカル値-1、達成値+8、ダイス+6個、エフェクトレベル+1。単体から変更不可。シナリオ1回 条件 組み合わせ タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 ダイス+浸食率修正 クリティカル 攻撃力 100%以上 1+2+3+4+5+6 メジャー RC 20 単体 至近 23 9+浸食率修正 7 解説 対象を未行動にし、次のメジャーアクションのクリティカル値-1、達成値+8、ダイス+6個、エフェクトレベル+1。単体から変更不可。シナリオ2回 ■キャラ説 高校生でUGNエージェント。 オルクス能力による情報収集能力と、特殊なソラリス能力による支援が持ち味であり、単身での情報収集からバディを組んでの任務までさまざまな任務をこなす。 幼少期からエージェントとして働いていたことと功績度の高さから本部付エージェントに昇格されるのでは、と目されている。 幼少期、父が母をオーヴァード化実験により殺害、そのショックでオーヴァードに覚醒した。 その後父はUGNに処理され、自らは保護されエージェントとしてUGNに協力することになった。 経歴からオーヴァードというものに疑問を持っており、人間とオーヴァードの本質的な和解は不可能だと思っている。 そのため穏健派の理念には同意できず、隠れアッシュ派として活動している。
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CN 久遠 HN 久遠 ◆Q9EMsgrtHY アイコン色 追加アイコン 初参加番地 ~ 普通の15秒村 ~ 8203番地 HN一覧 久遠 ◆QkRJTXcpFI # ◆QkRJTXcpFI ♯ ◆QkRJTXcpFI 久遠 ◆CSZ6G0yP9Q # ◆CSZ6G0yP9Q 久遠 ◆Q9EMsgrtHY おすすめログ
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長万部(久遠)郵便局 郵便番号:〒043-05 集配地域:久遠(くどう)郡せたな町の旧・久遠郡大成(たいせい)町(旧々・久遠郡貝取澗(かいとりま)村のうち旧々々・久遠郡長磯(ながいそ)村域を除く)域。 1.jpg 久遠郵便局局舎 2.jpg 久遠郵便局取集時刻掲示 達成状況[20**年*月**日現在] 普通のポスト ●マッピング済**本。撤去**本。 コンビニポスト ●マッピング済**本。撤去**本。 ポスト考察 ●編集中 ポスト番号考察 ●編集中 設置傾向考察 ●編集中 取集時刻考察 ●編集中 取集ルート考察 ●編集中 時刻などの掲示 ●編集中